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 【追記】オシコシでの八谷さんのデモフライト動画が、主催のEAAによって撮影・公開されました! →こちら

 5月の渡米で首尾良く自作航空機の祭典「EAA AirVenture Oshkosh」での、“メーヴェ”ことM-02Jのデビューを準備できた八谷和彦さん。しかし米国でのデモフライトはそれだけではなかった。西海岸ロサンゼルスでも飛ぶというのだ。そうやって米国の人に自分の飛行機を見せる意味はどこにあると考えているのか。インタビュー、後編です。

(前編はこちら

八谷さんが乗る、ナウシカの「メーヴェ」をモデルにした「M-02J」。

松浦:自分の飛行機を自分で作って、自分が乗って飛ぶ「OpenSkyプロジェクト」。以前から八谷さんは、パフォーマンスアートを一通り社会に提示した後は、機体をどこかの美術館・博物館に買ってもらってOpenSkyを終了させるかなあ、と話していましたけれど、今ここでM-02Jを米国に持って行って飛行展示する意義をどう考えているんでしょうか。

八谷:未来への投資です。基本的にOpenSkyプロジェクトは16年もやったので、そろそろまとめフェーズかなぁと思っています。去年展覧会をやったのもまとめとしての展覧会をきっちりやっておきたいと思ったからです。

 で、締めくくりとしてなにはともあれ、海外で飛行展示をしようと思ったんです。やる理由は、面白いからというのが一番大きいんですけど、作品として考えると「見てもらってなんぼ」という事実がありますね。米国の人に見てもらう。もっと言えば、米国の人にはこういうのはきっと受けるだろうな、という計算もあります。

 M-02Jはまったく実用的じゃない飛行機なんですけど、「YouTube」に画像をアップすると(たとえばこちら)、コメントを付けるのはだいたい海外の人で、結構世界中の人に見てもらえた実感があって、で、米国の人に見せるならオシコシ・エアショーが一番いいな、と考えたんです。

 まとめではあるのだけど、次のステップに進もうとしたら、何かチャレンジングなことをしなきゃいけないものなんですよ。それが今回はアメリカでの飛行なんです。何となくの野生の勘ですけど、「これをやったら次につながるぞ」という感覚があるんですね。

編集Y:野生の勘ですか。

八谷:米国での飛行と展示は、今自分がやるべき事なんじゃないかな、と、2年ぐらい前からうすうす思っていたので。で、今年持っていこうと。

 作品としてのゴールは、やはりどこかの美術館や博物館とかに入れられるというのを目指して行動したいと思っています。実を言うと日本の博物館から話が来たことも過去にはあったんですが、しばらくして立ち消えになったりとかで、あまり話が進まなかったんですよ。自分としても飛ばない状態で展示されるだけではなくて、飛行可能な状態で保存してもらいたいし、可能だったら年に1回くらい飛ばしたい。

 となるとアメリカはそういう博物館がたくさんあるし、とにかく興味を持ってくれそうな人に見せて回って、そこで何かいい反応が生まれたら、その波に乗ればいいんじゃないかと考えたんです。