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草の根の航空を支える公営の小さな飛行場

八谷:エアショーで飛ばせるかどうかは、その日の風次第なところもあるので、EAA AirVentureの後に滞在してフライトをできる飛行場も探しました。どっちに転んでも米国でフライトはやりたいですからね。

 そこで2017年に「これは飛ばせるぞ」というきっかけを教えてくれたリー・フィッシャーさんに連絡を取ったら「飛行場のすぐ近くに住んでいる友人がいるから紹介するよ」と、ウォーリーさんという人につないでもらいました。そうしたらウォーリーさんが自分の飛行機に僕を乗せて、近隣の飛行場を次々に案内して回ってくれたんです(と、様々な飛行場のロケハンの写真を見せる)。

ウォーリーさん(写真)が、ご自分の飛行機であちこちに連れて行ってくれた。

編集Y:好き者同士、親切だなあ。(1枚の写真を見て)あれ、これは?

八谷:これは、飛行場付きの宅地ですね。自分の家のガレージから飛行機を引き出して、目の前の飛行場から飛び立てるというものです。

編集Y:ええーっ、そんな住宅地があるんですか! ゴルフコース付きの家ってのは聞いたことがあるけれど、飛行場とハンガー(格納庫)付きのマイホーム……。

八谷:あるんですよ。この飛行場はちょっと狭くて障害物もあるので、僕の機体を飛ばすのは諦めましたけれど。とにかくいくつもの小さな飛行場に上がったり降りたりして調べて、最終的にワウパカエアポート(正式名称はWaupaca Municipal Airport)という自家用機用の飛行場を、デモフライトに使うことにしました。

ワウパカエアポートのセルフ燃料スタンド。

 米国ではジェットエンジンの燃料である灯油が普通には売っていないので、ジェット燃料が手に入る空港だということも条件になりました。ちなみに航空用燃料は空港の給油所からセルフで買えます。

松浦:こういう飛行場は、企業が運営しているのですか。

八谷:ほとんどがパブリック、市営ですね。とにかく飛行場がいっぱいあります。

松浦:写真を見るとガラガラって感じですけれど、採算は合っているのかな。

八谷:週末はけっこう混んでいましたよ。日本は、こういう個人の小さな機体が便利に使える飛行場がほとんどないので、慢性の順番待ち状態になってます。東京だと調布飛行場が立地は一番条件がいいんですけど、調布は、2015年に近所の住宅地に軽飛行機が墜落して死者が出る大事故があってしばらく飛行自粛が続いて、もう再開はしているんですけど、現在もなかなか飛ばしにくい状況になってます。

 調布以外だと、もう次は茨城県の竜ヶ崎飛行場とか、あと静岡県の三保飛行場とか、下手すると名古屋とか福島まで行って駐機しなくちゃいけないんですね。

編集Y:……。(絶叫疲れと彼我の差に絶句)

(次回に続きます→こちら