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編集Y:有名なエピソードですね。ホンダジェットの製品化を認めない取締役会に対して、最後のチャンスだと、「実験機」の名目でオシコシをデビューの場に選び、観客が「空からホンダがやってくる」と熱狂したってやつ。

八谷:そうです。「モーゼの出エジプト記じゃないけれど、ホンダジェットが進むと、熱狂して集まった観客がぐわっと2つに割れた」とか、藤野さんから直接聞いてしまって、「あ、いいな。自分もオシコシで飛んでみたいな」と思っちゃったんです。2010年当時M-02Jはタキシングテスト(地上滑走試験)をしている段階で、まだ飛んでもいなかったんですけれど。

藤野社長(右)と。

2017年、オシコシエアショーに行って圧倒される

八谷:それで、ずっと「自分の機体がちゃんと飛べるようになったらオシコシに行こう」と思っていたんですが、2017年にちょうどショーの時期に夏休みがとれたので、まずは偵察だ、と行ってきたわけです(と、写真を見せる)。

松浦:わっ、ブルーオリジンのニュー・シェパードだ。

八谷:そう。この年はブルーオリジンが実際に飛んだロケットを持ってきていました。

航空マニアの祭典かと思いきや

編集Y:何か見ているだけでも楽しそうだな。

八谷:ものすごく楽しいですよ。行きましょうよ(笑)。やっぱり、結構ヤられました。ものすごい規模だし、毎日、朝目覚めると、なにかしらがブンブン飛んでいるんです。

松浦:自分も去年行ってみて、本当にたまげました。こんな場所が世界にはあるんだって思った。

八谷:しかも、来ている人達が、基本家族連れなんです。

編集Y:えええっ、我々のような中年以上のオタクたちばっかりじゃないんですか。

八谷:それで会場に行くと、駐車場でクルマを誘導しているボランティアが高校生ぐらいの若い子たちばかりなんですよ。

編集Y おお、すばらしいですね。

松浦:日本でエアショーというと、カメラ抱えた航空マニアが一杯という印象だけれど。

八谷:そうそう。カメラおじさんが山のようにいるという感じですけど、オシコシは違います。お父さんもお母さんも子どももおじいちゃんもおばあちゃんもいるという感じ。

編集Y:(八谷氏撮影の写真を見つつ)うひゃー、Tシャツとか売っているよ。