全国に1000以上あり、年間の累計利用者数は2億人に達する道の駅。この道の駅の持つ力を活用しようと、企業が道の駅に進出するケースが増えている。雑貨店「無印良品」が進出した道の駅について取り上げた前回に続き、今回は小売業以外の業態とタッグを組む道の駅の事例を紹介する。

 6月9日夜、紀伊半島南部の道の駅すさみ(和歌山県すさみ町)の一角に、およそ似つかわしくない店がオープンした。近くの漁港で水揚げされたマグロや名産のイノブタを使ったメニューが自慢の居酒屋「すさみ夜市」だ。自動車で訪れる人が多い道の駅に居酒屋とは。おそらく全国でも初めてのケースである。

 これは道の駅すさみの隣接地に同日、米マリオット・インターナショナルがホテルを開業したことと深く関係している。大手住宅メーカーの積水ハウスとマリオットは2020年10月から各地の道の駅に隣接して順次ホテルを開業する「Trip Base 道の駅プロジェクト」を進めている。すさみ町のケースは13カ所目で、25年度末までに25道府県で50カ所程度をオープンする計画だ。

 郡上おどりで知られる城下町の岐阜県郡上市や天橋立を望む京都府宮津市、そして美しい海でダイビングが楽しめるすさみ町。両社がホテルの開業先に選んでいるのは、観光資源には恵まれているものの、これまで宿泊込みの旅行先にはあまり選ばれてこなかった小さなまちだ。

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