政府による企業や家庭への節電要請が7月1日に始まった。全国規模での要請は7年ぶりだ。電力需給逼迫時の安定供給を支えるのは稼働から40年以上たつ老朽火力発電所だ。原子力発電所の再稼働が進まない中、電力逼迫の危機はさらに長期化する可能性がある。

稼働から45年以上たつJERAの姉崎火力5号機。青色の塗装は色あせている
稼働から45年以上たつJERAの姉崎火力5号機。青色の塗装は色あせている

 「姉崎火力発電所5号機の稼働時期を当初予定より早める」

 東京都心で6月としては観測史上初めて2日連続で猛暑日を記録し、電力需給の逼迫注意報が出された6月27日。東京電力ホールディングスと中部電力が折半出資するJERAは、姉崎5号機(千葉県市原市、出力60万kW)の稼働を早めると決めた。

 同機は同月21日にタービンを毎分10回転ほどの速さで回し始め、稼働準備に入った。7月1日に3000回まで到達させて本格稼働に入る予定だったが、1日早い6月30日午前に100%の回転率まで上げていった。

老朽火力発電に負荷

さびついた姉崎火力5号機の周辺機械。無残な姿だ
さびついた姉崎火力5号機の周辺機械。無残な姿だ

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