雲南省でマイニング事業を運営するリュー・ホンフェイ氏は「政府が容認しないなら、廃業せざるを得ない。中国で共産党に盾突くことなどできるわけがない」と述べた。
OKExインサイツのシニアディレクター、アダム・ジェームズ氏の話では、一連の禁止措置によって中国におけるビットコインのマイニング産業の最大90%で廃業の可能性がある。
ビットコインなど仮想通貨は、大量の電力を消費し、高性能コンピューターで複雑な問題を解くことで採掘される。コンサルタント会社のブロックスブリッジ・コンサルティングの創業者、ニシャント・シャルマ氏は、中国では「ほとんどのマイニング業者が装置を停止し、手放している」と明かした。
シャルマ氏は、中国のマイニング事業者の廃業がそのまま「どの海外の事業者にとっても恩恵になっている」と説明し、その理由としてハッシュレート(採掘に利用されるコンピューターの計算力を測る指標)に占める割合が自動的に高まり、これに比例する形でマイニングの報酬が増える点を挙げた。
ニューヨーク大学法学部の非常勤教授、ウィンストン・マー氏は「中国ではマイニングの時代が終わった」と言い切った。
海外移転
マイニングのための装置「リグ」は、禁止発表後に中国本土で価格が暴落した。
四川省のマイニング業者は、リグの価格が4月と5月には1台が4000元(620ドル)前後だったが、今では安ければ700─800元で買えると教えてくれた。
中国で最大のマイニング装置メーカー、ビットメインは25日、中国での製品販売停止を発表。米国、カナダ、オーストラリア、ロシア、カザフスタン、インドネシアなどで「高質な」電力供給のある場所を顧客ともども探していると表明した。
BITマイニングは21日、マイニング装置320台をカザフスタンへ無事に送ったと発表した。これは第1弾で、計3回に分けて7月1日までに2600台を送る計画だ。
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