ロシアから完全撤退した米ファストフード大手、マクドナルドから事業を引き継いだ新ハンバーガー・チェーン店「フクースナ・イ・トーチカ」のオレグ・パロイエフ最高経営責任者(CEO)がロイターのインタビューに応じ、もう「ビッグマック」や「マックフルーリー」はメニューに載せられないが、野心的な成長目標の達成を目指していくと強調した。

6月21日、ロシアから完全撤退した米ファストフード大手、マクドナルドから事業を引き継いだ新ハンバーガー・チェーン店「フクースナ・イ・トーチカ」のオレグ・パロイエフ最高経営責任者(CEO)がロイターのインタビューに応じ、もう「ビッグマック」や「マックフルーリー」はメニューに載せられないが、野心的な成長目標の達成を目指していくと強調した。写真は12日、モスクワで開店したフクースナ・イ・トーチカに行列する人々(2022年 ロイター/Evgenia Novozhenina)
6月21日、ロシアから完全撤退した米ファストフード大手、マクドナルドから事業を引き継いだ新ハンバーガー・チェーン店「フクースナ・イ・トーチカ」のオレグ・パロイエフ最高経営責任者(CEO)がロイターのインタビューに応じ、もう「ビッグマック」や「マックフルーリー」はメニューに載せられないが、野心的な成長目標の達成を目指していくと強調した。写真は12日、モスクワで開店したフクースナ・イ・トーチカに行列する人々(2022年 ロイター/Evgenia Novozhenina)

 フクースナ・イ・トーチカは「おいしい。ただそれだけ」という意味。マクドナルドから5月にロシア事業のライセンスを買い取り、今月12日と13日に首都モスクワ市内と近郊の50店で営業を開始。初日のハンバーガー売り上げは、約12万個という記録的な数字となった。

 パロイエフ氏は店舗数拡大に熱意を見せる。同時に原材料調達や仕入れ業者の入れ替えと、今でもマクドナルドのブランド名で営業している一部の旧フランチャイズ契約業者の扱いが難しいと認めた。

 開業当日に何千人もが訪れたモスクワのプーシキン広場にある旗艦店は、マクドナルドの商標権や知的財産を使えないため、ロゴや色使い、包装デザインなどが刷新された。

 パロイエフ氏は「初日にはほぼ12万個に上るハンバーガーが売れた。1日の販売個数としてはマクドナルドがロシアで営業していた全期間で一度も目にしたことがない水準だ」と胸を張る。

 パロイエフ氏は、これほどの需要が長く続くとは予想していないが、マクドナルドのロシア事業を一手に所有することになった実業家、アレクサンドル・ゴボル氏が掲げた目標を予定よりも早く上回る成長を実現したい考えだ。

 ゴボル氏は、マクドナルド傘下で約850だった店舗数を4─5年で1000に増やす方針を打ち出している。

 また、パロイエフ氏は、ロシア最大手銀行・ズベルバンクから出資を受けることは否定しつつ、戦略的な提携関係強化を望む考えを示した。

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