フェイスブックとアルファベット傘下のグーグルはここ数年、規制当局や政界からの圧力を受け、世界各地の報道事業者に合計6億ドル(658億円)の支援を提供してきた。その多くはデジタル時代への対応に苦しむ地方・地域レベルの事業者だ。

 フェイスブック、グーグル両社の発表によれば、支援の内容はファクトチェックやニュース報道、研修に至るまで多岐にわたる。資金面やその他の支援を受けているメディア事業者は数千にも及び、広告収益が急減する中で両社の支援が不可欠だとして感謝する事業者もある。

 だが複数のメディアアナリストや報道機関幹部がロイターに語ったところでは、この3年間に提供された支援の金額は、両社がデジタル広告市場を手中に収めてしまったことでメディア事業者が失った数百億ドルもの収益を補うには程遠いという。市場調査会社eマーケターによれば、グーグルとフェイスブックは、米国における2020年のデジタル広告収益の54%を上げた。

 それぞれ3億ドル規模の拠出を含む両社のプロジェクトは、ニュース事業者からの不満を緩和し、都合のいい宣伝効果を狙ったもので、意味がないとする批判もある。両社とも、ニュースコンテンツへの対価をめぐる訴訟だけでなく、規制当局やメディア事業者らによる反トラスト訴訟も世界中で抱えている。

6月10日、フェイスブックとアルファベット傘下のグーグルはここ数年、規制当局や政界からの圧力を受け、世界各地の報道事業者に合計6億ドル(658億円)の支援を提供してきた。写真は2018年6月、カラカスの新聞社の編集フロアで撮影(2021年 ロイター/Marco Bello)
6月10日、フェイスブックとアルファベット傘下のグーグルはここ数年、規制当局や政界からの圧力を受け、世界各地の報道事業者に合計6億ドル(658億円)の支援を提供してきた。写真は2018年6月、カラカスの新聞社の編集フロアで撮影(2021年 ロイター/Marco Bello)

 フェイスブックが後援するファクトチェック・プログラムに参加している米新聞大手ガネット傘下のUSAトゥデイの発行人でUSAトゥデイ・ネットワーク社長のマリベル・ペレズ・ワズワース氏は、両社が示している「その場凌ぎの大盤振る舞い」は焼け石に水にしかならないと言う。「ニュース事業者が求めているのは、慈善行為ではない。私たちはただ、公正さと平等な競争環境を求めているだけだ」

 コロンビア大学タウ・センター・フォー・デジタル・ジャーナリズムのエミリー・ベル所長は、報道機関にとって、短期的にはこうした資金支援が不可欠だと話す。「だが、現場に持続的な効果を与えるようなレベルの資金は提供されていない。実際には何も変わっていない」

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