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 5月17日、トヨタは国内で新型スープラを発売した。先代が2002年に生産終了して以来、17年ぶりの復活となる。

 新型スープラは、現在カンパニー制を敷くトヨタの「GAZOO Racing Company(GR)」が展開する初のグローバルモデルという位置づけになる。したがってカタログや車体には、“GR”のロゴが掲げられている。

 またこのスープラはBMWとの包括提携によって開発された初のクルマであり、BMW Z4との姉妹車になる。昨年、発表前の段階でスープラの開発責任者である多田哲哉氏にインタビューした際、開発に至るまでの経緯を聞いた(「トヨタ・スープラ復活。BMWとの協業の現場から」)(「『スポーツカーにMTって、まだ必要ですか?』」)が、晴れて発売されたこのタイミングでどのようなプロセスで開発が進められたのか、あらためて話を聞くことができた。

多田 哲哉(ただ・てつや)
トヨタ自動車株式会社 GAZOO Racing Company GR統括部 主査。1987年トヨタ自動車入社。入社後、ABSの電気評価やスポーツABSなどの新システム開発を担当し、1993年にはドイツでWRCラリー用のシャシー制御システム開発などに従事。2007年、スバルと共同開発した86の開発責任者を担当したのちにスープラと、トヨタのスポーツカーを2台続けて世に送り出す重責を担う。(写真:柳田 由人)

 ちなみにBMW Z4は、スープラに先駆けて今年3月25日に国内発表されている。プラットフォームやエンジン、トランスミッションは基本的に共用。大まかな違いを挙げれば内外装のデザインと、スープラが「クーペ」、Z4が「オープン」という棲み分けになる。

 通常、姉妹車と言えば、内外装のパーツも多くを共用するのが一般的だ。しかし、スープラ/Z4のエクステリアの共通点は、ミラーとドアノブくらいしかない。サイズが大きく、部品としては最もコストがかかると言われるドアなども大きく異なる形状を採用する。またインテリアデザインも、センタースクリーンやスイッチ類はBMWの旧世代のものを流用しているが、基本的なデザインはまったくの別物だ。

トヨタ スープラ
3リッター直6エンジンを搭載する最上位グレードのRZ。最高出力340PS、最大トルク500Nmを発揮する。ボディサイズは、全長4380mm、全幅1865mm、全高1290mm、ホイールベース2470mm。車両重量は1520kg。
BMW Z4
3リッター直6エンジンを搭載する最上位グレードのM40i。最高出力340PS、最大トルク500Nmはスープラと同じ。ボディサイズは、全長4335mm、全幅1865mm、全高1305mm、ホイールベース2470mm。車両重量は1570kg。全幅とホイールべースはスープラと同寸。車両重量はオープンボディゆえか、50kg重くなっている。(写真:筆者、以下特記なきものも同様)

多田さん、あらためて振り返っていただいてBMWとの協業で、一番苦労した点は何だったのでしょうか?

多田さん(以下敬称略): 以前のインタビューでお話したように2012年に初めてBMWへ行って交渉が始まったのですが、実はそこからが大変でした。技術的な問題や予算など、いつもどこかでつまずいてなかなか具体的な展開にならなかった。