中国の石油業界で「ティーポット」と呼ばれる、国営石油会社に属さない独立系製油所は一時稼働が落ち込んでいたが、息を吹き返しそうだ。新型コロナウイルス対応の行動規制の緩和による国内の燃料需要回復や、価格の安いロシア産原油の供給増による精製事業の利幅改善が追い風になるというのが、トレーダーやアナリストの見立てだ。

中国の石油業界で「ティーポット」と呼ばれる、国営石油会社に属さない独立系製油所は一時稼働が落ち込んでいたが、息を吹き返しそうだ。写真は山東省の工場に設置された石油タンク。2018年7月撮影(2022年 ロイター/Jason Lee)
中国の石油業界で「ティーポット」と呼ばれる、国営石油会社に属さない独立系製油所は一時稼働が落ち込んでいたが、息を吹き返しそうだ。写真は山東省の工場に設置された石油タンク。2018年7月撮影(2022年 ロイター/Jason Lee)

 石油供給がひっ迫するタイミングで世界最大の原油輸入国である中国の需要が増加することは、西アフリカやブラジルからの輸送先が変更になったり、欧米の制裁にもかかわらずロシアの利益が増えるなど、広範囲に影響を広げそうだ。

 ティーポット製油所は供給業者との長期契約に必要な信用度が低いため、原油の調達をスポット市場に頼っており、目先の精製マージンの動きに敏感だ。

 こうした事情からティーポット製油所は中国の精製部門の中でも不安定な動きをしつつ、原油輸入に占める比率が20%以上もあるため、国内市場の変動に拍車を掛ける可能性がある。

 調査会社・クプラーのデータによると、1─5月のティーポット製油所の原油購入量は前年同期比で31%余り減った。新型コロナ対応の行動制限で、国内の燃料使用が抑えられたためだ。

 アナリストによると、景気刺激策や旅行制限の緩和を受けてティーポット製油所は生産体制の転換を計画。制裁で需要が落ち込み、指標原油に比べて大幅に割安となっているロシア産原油に飛び付いているという。

 シンガポールの石油トレーダーは「ティーポット製油所は利益だけを考えるので、安いロシア産原油を最大限買い入れるのは間違いない」と話した。

 別のトレーダーによると、ロシア産のESPO原油やウラル原油は中東産のオマーン原油に比べて1バレル当たり10ドルほども安く、ティーポット製油所はコストが下がり、利益率が上がっている。

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