(写真=Shutterstock)
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 自治体の負担軽減と接種の加速化を図るため、6月21日から新たに始まる新型コロナウイルスワクチンの職域接種。自治体や国が運営する大規模会場以外での接種ルートが構築できれば、菅義偉首相が掲げる「1日100万回」の接種体制の確立が期待できる。

 職域接種はまず、1カ所で最低2000回(1000人分)程度の接種が可能な大企業から始まる形となりそうだ。ワクチンは米モデルナ製を使用し、4週間の間隔を空けて2回接種する。経団連が今月4日に内閣官房や厚生労働省の担当官僚を招いて実施したオンライン説明会では、約1500社の加盟企業のほとんどが参加したという。十倉雅和・経団連会長は「非常に各企業が前向きで、日本全体で一気呵成(かせい)に進めるという動きが加速している」と語る。

職域接種に関する首相官邸のホームページ
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 21日の接種開始に向けて、実務面での準備も進んでいる。6月7日には首相官邸のウェブサイトに職域接種についての総合窓口を設けた。8日午後2時からは、サイト上にある申請フォームを通じて、職域接種の受け付けが始まった。加えて、製造業は経済産業省、金融は金融庁、通信は総務省、というように業種ごとの所轄官庁に職域接種に関する相談窓口を設置。企業からの問い合わせに対する体制も整えた。

 職域接種の接種形態は、以下の3つを想定している。

 まずは企業内の診療所を使うケース。手っ取り早く取りかかれる一方でスペースは限られ、入館管理のために社員以外は利用しにくいといった課題もある。対象となるモデルナのワクチンは4週間後に2回目を接種する必要があり、接種スピードが遅ければ1回目と2回目の人が同時に来場する。打った人が経過観察のため待機する場所も必要で、密を避ける動線の確保が重要となる。

 2つ目は大会議室などにその企業の産業医だけでなく外部の医療機関も招く場合だ。効率的に接種できる期待がある半面、いかに医療従事者を確保するかが問われる。仮に1日あたり8時間で400人に打つ場合、医師・看護師は計8人、事務職・会場責任者は計7人が必要になるという。ふだんは医療行為をする場所ではないので、医療法上の開設届も出すことになる。

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