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 育児休暇からの復帰直後に転勤を内示したことや、有給休暇の取得を認めなかったことなどがツイッターで指摘されているカネカ。「当社の社員であるとはっきりするまでコメントを控える」としてきたが、日経ビジネスの質問に対して初めて同社IR・広報部が回答した。

 同社は、日経ビジネスが入手した、同社の角倉護社長が社員に宛てたメールに対し、「当該メールに関するご質問に対しては、内容の補足説明として」回答するとした。

 日経ビジネスからの質問と、それに対するカネカIR・広報部の回答は以下の通り。

社長からのメールの中で、SNSの書き込みに対して「正確性に欠ける内容」との指摘があった。正確性に欠けているのは具体的にどういった内容か。

細かな事実関係についてコメントさせていただくと元社員の方の個人的な情報にも及ぶこととなるため差し控えさせて頂きます。「転勤の内示が育児休業休職(以下育休とします)取得に対する見せしめである」とされていますが、転勤の内示は、育休に対する見せしめではありません。

カネカでは「休職復帰、即転勤」の事実は「パタニティ(父性)ハラスメント」に当たるのか、当たらないのか。

当社においては、会社全体の人員とそれぞれの社員のなすべき仕事の観点から転勤制度を運用しています。育児や介護などの家庭の事情を抱えているということでは社員の多くがあてはまりますので、育休をとった社員だけを特別扱いすることはできません。したがって、結果的に転勤の内示が育休明けになることもあり、このこと自体が問題ではあるとは認識しておりません。もちろん、育休明けのケースに限らず、社員の家庭的事情等に応じて、着任前後も休暇や出張を柔軟に認めて転勤前の自宅に帰って対応することを容易にするなどの配慮をしております。

なお、本件では、転勤の社内判断は育休前の段階でほぼ決定されていましたが、内示直前に育休を取られたために育休明け直後に内示をすることとなってしまったものです。

メール中の「十分な意思疎通ができなかった」とは、具体的に誰と誰の意思疎通でどんな内容を指しているか。

転勤に関して、当社の元社員と上司との間では、着任日についてのやり取りがもっぱらとなっていました。転勤に関しての種々のアレンジについては人事部から伝えていたものの、着任日等をやり取りしていた上司との間ではこれらのアレンジについての意思疎通がないまま、元社員の方から退職の意思が明らかにされました。そのため元社員の方は転勤に関しての種々のアレンジについて誤解したままとなってしまったものと思います。

カネカは本件で、第三者を含めた調査委員会を立ち上げる考えを持っているか。

6月2日より弁護士を入れて調査を行っています。

社長のメールにある「再発防止策」とはどんなものか。どういうプロセスでいつ再発防止策が出るのか。

意思疎通が不十分であったことについては、再度同様の事態が生じないよう社内で指示しております。今後とも、2番目の質問に対する回答で述べたような方針で会社の要請と社員の事情を調整して社員のワークライフバランスを実現してまいります。