2019年の消費増税に伴う還元事業や、コロナの感染防止を背景に広がり続けるキャッシュレス決済。18年秋にサービスを開始したPayPayのスマートフォン決済におけるシェアは5割を超え、ユーザーと加盟店を獲得する「陣取り合戦」は、ある程度決着がついた。

(写真:Shutterstock)
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 では、キャッシュレス決済の次の競争軸はどんなもので、今後はどのように進化していくのだろうか。日経ビジネス電子版では、以下のような関連記事3本を掲載した。

無印、ファミマ…相次ぐ『〇〇ペイ』 自前主義が広がるスマホ決済

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 無印良品の「MUJI passport Pay(ムジパスポートペイ)」のような自社グループだけで使えるスマホ決済は、あまねく多くの人に使ってもらうのではなく、「好きな人が、より好きに」なってもらうようにファンを深掘りする狙いがある。セブン&アイ・ホールディングスの「7pay(セブンペイ)」やNTTドコモの「ドコモ口座」の不正利用問題を受けて、決済機能を自前で開発しているのも特徴だ。

セブンアプリに埋め込まれたPayPayは二兎を追う

 「どこでもいつでも使える」汎用型決済を目指すPayPayの戦略も柔軟になっている。デリバリーやタクシー配車など様々なサービスを利用できるミニアプリを統合した「スーパーアプリ」を目標に掲げながら、21年2月にはセブン-イレブンアプリの中に入って決済機能を提供し始めた。ミニアプリを集約するPayPayが、逆に他社のアプリに入る「PaaS(Payment as a Service)」といえる。

『有料になる?……やめます』加盟店離れ、スマホ決済普及の正念場

 21年は、スマホ決済の成長に陰りが見えるかもしれず、さらなる普及に向けては正念場だ。スマホ決済の大手が加盟店の開拓を優先して無料にしてきた決済手数料の有料化を進めるからだ。LINE Payは10月から2.45%、メルペイは7月から2.6%となる。PayPayは10月に有料化を検討し、料率は未定としている。「有料になるならやめる」(中小小売店の関係者)との声が漏れる。

 ニッセイ基礎研究所の福本勇樹氏の推計では、20年のキャッシュレス決済の比率は約30%に達し、そのうちクレジットカードが約25%、電子マネーが約2%となり、QRコードは1%程度にすぎない。スマホ決済は廃れたとしても、巣ごもりのネット通販で定着したクレジットカード決済は根強く生き残るだろうか。

 このようなキャッシュレス決済の現状に対し、読者からは、「使ってみたら便利で、買い物はPayPay中心になった」「かざすだけでシンプルなクイックペイに落ちついた」とスマホ決済を歓迎する声だけでなく、「QRコード決済は面倒。(タッチ決済から)退化した」「自社経済圏に囲い込もうとする動きは古くさい」「消費者にはポイント還元以外にメリットがないのでは」などと否定的なコメントも多数寄せられた。

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