2019年の消費増税に伴う還元事業や、コロナの感染防止を背景に広がり続けるキャッシュレス決済。大規模な還元策を実施したPayPayの利用者は約3900万人、小売りや外食など316万カ所で使えるまでに成長した。スマートフォン決済のシェアは5割を超え、他社を圧倒する存在感を示している。

 PayPayが掲げるスーパーアプリ戦略は、今秋に有料化する加盟店からの決済手数料に加え、フードデリバリーやタクシー配車といったミニアプリの事業者から手数料を得るモデルだ。大規模な先行投資でユーザーを増やすことで、ミニアプリ提供企業や加盟店を引きつけ、それによってPayPayの利便性が高まって、さらにユーザーが集まるという好循環を狙ってきた。

 そんなPayPayが今年2月、今までの戦略と一見矛盾するかのような動きをとった。「セブン-イレブンアプリ」にPayPayの決済機能が埋め込まれたのだ。スーパーアプリに取り込むのではなく、PayPayが他社アプリに入り込む狙いはどこにあるのか。

 セブンアプリを開くと、ちょうど親指で押しやすい位置にある赤い「P」のロゴ。タップすると、PayPayの決済画面に移る。画面に表示されたコードをレジで読み取れば、支払いと同時にセブンアプリの会員コードも読み取り、ポイントがたまる。

 会員証のバーコードと、決済に必要なコードを2度読む必要がなく、セブンアプリの利便性が高まったことは間違いない。しかし、PayPayにセブン-イレブンがミニアプリとして登場するのではなく、PayPayが決済機能を提供し、セブンアプリに入り込むというのは、ミニアプリが集まるプラットフォームであるスーパーアプリとは異なる戦略に見える。

 PayPayの馬場一副社長は、「スーパーアプリ戦略の一環ではないが、矛盾するわけでもない。完全に黒子となって『7pay』(の一部)になるなら、やらなかった」と話す。

続きを読む 2/3 「我々が血を流すだけではなくなった」

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