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テレワークに無関心だった企業が動いた!

 新型コロナウイルスの感染対策として、在宅勤務を実施した企業を、「Beforeコロナ」時状態で4つに分類してみる。

(1)テレワークが当たり前の働き方だった企業
(2)制度は導入済みだが、一部の社員のみ短期でテレワークをしていた企業
(3)テレワーク導入の準備をしていた企業
(4)テレワークの導入を考えていなかった企業

 (1)は、日本IBM、グーグル、日本マイクロソフトなど、外資系を中心としたITの大手企業や、インターネット関連のベンチャー企業などだ。大きな問題がなく、社員の多くが在宅勤務で、社員の安全を守りつつ、事業が継続できた。

 (2)は、IT系以外の大企業や、IT系の中小企業が多い。「社員の大半が長期に在宅勤務をする」ことを想定していなかったので、実施すると想定外の課題も多く見えてきたが、機器の調達ができれば動きは速かった。

 (3)は、東京五輪・パラリンピックの混雑緩和や、離職防止の観点から、取り組まなくてはと考えていた企業だ。東京都が助成金などを拡充していたこともあり、東京の中小企業が少なくないだろう。

 注目すべきは(4)の企業だ。「Beforeコロナ」の総務省のデータでは約75%を占める。販売や製造など現業が多く、中小企業が中心だ。「自分たちには必要ない」「わが社ではできない」と考えていただろう。しかし、「Underコロナ」の状況で、これらの企業が動いたことが、先のデータからもうかがえる。

 また、(2)から(4)の多くの企業が動いたことを示す現象として、新型コロナウイルスの感染者の増加に伴い、在宅勤務のためのパソコンやWi-Fi機器が品薄になった。Web会議システムの利用者が増え、家電量販店でWebカメラやスピーカーフォンが店頭から消えた。セキュリティーを保ちつつ、自宅から会社のパソコンを操作できる人気の「リモートデスクトップツール」は、申し込みが集中し、納品延期になった。日本テレワーク協会の「テレワーク相談」もパンク状態になった。筆者にも、テレワークに関する取材が相次いだ。北海道北見市の自宅に居ながら、Web会議で1日5件の取材を、こなしたこともある。

「Underコロナ」のテレワーク課題には緊急対策を

 では、「Underコロナ」の在宅勤務は、どうだったのか。テレビ番組や雑誌、Webメディアで「在宅勤務の困った」や「在宅勤務のコツ」といった特集が多く見られたように、突然、しかも長期にわたる自宅での仕事は、会社にとっても、社員にとっても、様々な課題が浮かび上がった。

 働く側からは「休校中の子どもがいて、仕事が進まない」「自宅だと気が緩み、遅くまでダラダラと仕事をしてしまう」といった課題が出た。人と話すことが少なく、心のケアが必要になったケースもある。

 一方、企業や管理職側からは、「部下がそばにいないと仕事が進まない」「自宅だと、子どもの世話をして仕事ができないのではないか」「遅くまで働いているのではないか」といった不安も多く聞かれる。

 とはいえ、これらの課題は、従来の完全在宅勤務でも発生していた。筆者は、早い段階で日経ビジネスに記事を寄稿し(3月3日公開「新型コロナウイルス対策に『テレワークの正論』は通じない!」)、緊急の解決策として、「仮想クラウドオフィス」を提案している。

 なお、「Underコロナ」におけるテレワークについて、当社のYouTubeチャンネルでも動画を発信している。緊急の対策やアドバイス、助成金の申請方法まで様々な情報があるので、参考にしてほしい。