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その頃の体調はいかがでしたか。

元患者:入院した初日は熱がありましたが、2日目以降は落ち着いていました。せきはしばらくは続いていました。

 接触を避けるためにお見舞いなども受けられなかったのでは。入院中に必要なものはどのようにそろえたのですか。

元患者:シャンプーや食事時以外の飲料水などは自分で用意する必要がありました。私は部屋から出ることはできないので看護師さんが代わりに院内の売店に買いに行ってくれるのですが、お願いする際に渡すお金は除菌シートで拭いてから看護師さんが受け取っていました。

 通信販売も利用しました。病院では荷物の受け取りは可能だったので、友人が送ってくれたりもしました。

 医師の問診を受けたり、点滴の準備で看護師さんが病室に来るとき以外は1日のほとんどを1人で過ごしました。暇だったので、インターネットで動画を見たり、テレビを見たりして過ごしていました。

エレベーターが「密」に

8日間の入院を経て、ホテルでの療養に移った。

元患者:CT検査や血液検査の結果がよくなっていたので、医師からホテルに移ることを勧められました。家にはまだ帰れないし、病院にとどまるか、ホテルに行くかという2択だったのですが、病室を埋めることは気が引けるところがあったのでホテルに移ることをにしました。

ホテルは自分で選ぶのですか。

元患者:決められていました。同じ病院の別の患者さんと一緒に運転席と後部座席が仕切られた車で移動しました。

ホテルでの療養生活はいかがでしたか。

元患者:病院では他の患者さんと徹底して隔離されていたのですが、ホテルではそうではなかったので違和感がありました。

清掃用具として用意されていたのは、粘着式のクリーナーだけだったという

 個室が当てがわられて原則室内で過ごすのですが、朝昼晩の食事は1階のロビーにそれぞれが用意された弁当を取りに行かなければなりませんでした。朝食であれば午前7~8時の間に取りに行くというようなルールがあったのですが、ホテル内には私のような療養者が多くいたので、時間をずらしていっても複数の人と同じタイミングになってしまいました。エレベーターも1基しか稼働していなかったので、多いときは10人くらいが同時に乗ったこともあり、「せっかく症状がよくなっているのに」と不安を感じました。

 いろんな考えの方が療養生活を送っているので、廊下で「部屋でお茶をしないか」とナンパのように声を掛ける男性がいたりして、怖さを感じることもありました。隣室からは「頭がおかしくなりそうだから職員に文句を言ったら、出ていっていいと言われたのでこれから帰る」と大声で誰かと話しているのも聞こえました。病院からホテルに移る際には、PCR検査で2回連続で陰性が出ないと自宅には帰れない、無断で外に出れば損害賠償が発生し得るといった説明があったのですが。