自動運転の時代はすぐそこに(写真:PIXTA)
自動運転の時代はすぐそこに(写真:PIXTA)

 ここ数年、米国などで成長・発展の勢いが増している人工知能(AI)ベンチャー。その中で、自動運転車のAIに深く関わり、関係者から注目を集めてきたのがAIベンチャー米スケールAIだ。創業者、24歳のアレックス・ワンCEO(最高経営責任者)は、米フォーブス誌のランキング「AI50」で2019年、米国で最も将来有望なAI企業50社の1つに選ばれ、「米フェイスブック創業者のマーク・ザッカーバーグ氏や米マイクロソフト創業者であるビル・ゲイツ氏と似ている」などと評されたこともある。

 ワンCEOは、高校時代にデータサイエンティストにスカウトされてベンチャー企業にかかわり、米マサチューセッツ工科大学(MIT)を1年で中退。2016年6月、19歳の時に起業した。AI(人工知能)の機械学習に必要となる膨大なデータを効率的にラベリングし仕分けする技術と仕組みで、企業のAI活用を支援するビジネスだ。トヨタ自動車の自動運転車開発や、米リフトや米エアビーアンドビーなどで既に活用されている。今年4月には3億2500万ドルの新たな資金調達に成功し、約73億ドルの企業価値を認められたというワンCEOに、米国におけるAIベンチャー業界の成長ぶりや、AIベンチャーの課題、人間とAIの関係などについて聞いた。

アレックス・ワンCEOは高校時代からデータサイエンティストとして活躍して2016年に19歳という若さで創業し、名門米マサチューセッツ工科大学を中退してスタートアップに注力しています。なぜそのようなキャリアが可能になったのですか。

アレックス・ワン氏(以下、ワン氏):私たちは今や、インターネットでかなりたくさんのことを学べます。私自身もプログラミングは独学しましたが、実に多くの人々が自力でコードを学んでいます。私は数学の勉強で問題を解くのがとても好きではあったのですが、そもそも、数学の問題をもっと簡単に解くツールをつくるために、ネットでコードを学んだのが最初のきっかけでした(笑)。

学校の勉強で楽をしたかったと(笑)。

<span class="fontBold">アレックス・ワン(Alexandr Wang)</span><br>米スケールAI CEO(最高経営責任者)<br> 米マサチューセッツ工科大学(MIT)でコンピューター科学と数学を学ぶが、1年で中退。2014年、17歳の時に米の金融系ベンチャーAddeparにソフトウエアエンジニアとして参画、また同年にコミュニティーサイト米クオーラのテック・リードを務める。その後アルゴリズム開発者などを経て、米カリフォルニア州のベンチャーファンド、Yコンビネーターのプログラムに参画。2016年6月に19歳でAIデータのプラットフォームを目指すスケールAIを創業した。現在24歳。
アレックス・ワン(Alexandr Wang)
米スケールAI CEO(最高経営責任者)
米マサチューセッツ工科大学(MIT)でコンピューター科学と数学を学ぶが、1年で中退。2014年、17歳の時に米の金融系ベンチャーAddeparにソフトウエアエンジニアとして参画、また同年にコミュニティーサイト米クオーラのテック・リードを務める。その後アルゴリズム開発者などを経て、米カリフォルニア州のベンチャーファンド、Yコンビネーターのプログラムに参画。2016年6月に19歳でAIデータのプラットフォームを目指すスケールAIを創業した。現在24歳。

 2016年の創業当時は、AIが本当に社会にインパクトをもたらせるかどうかが、まだはっきりしていませんでした。標準化されたツールもなく、開発基盤もなかった。多くの組織にとっては、機械学習を実行するためのデータを入手すること自体が事実上不可能でした。

 私自身は、いつ食料を買い出しに行ったらいいかをAIに教えてもらえないだろうかと思って、冷蔵庫の中にカメラを設置することに挑戦しました。しかし作業しながら、適切なデータがないと難しいことが分かりました。これは大きな問題です。解決すべく、スタートアップ支援で名高い米国のYコンビネーターに応募したのです。

世界的に有名な、スタートアップのアクセラレーターですね。

ワン氏:そうです。Yコンビネーターは世界中から応募を受け付けていることで知られていますね。最終的に受け入れてもらえることになり、プログラムに参加しました。そこで、「Product Hunt」というウェブサイトを立ち上げることに成功したところ、多くの投資家や顧客から注目を集めました。すべてはそこから始まったのです。

 アクセル、ファウンダーズファンド、インデックス、タイガーグローバルといった、多くの素晴らしい投資家のサポートを得ました。Yコンビネーターに参加したおかげで出会えた投資家です。

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