米電気自動車(EV)大手テスラの最高経営責任者(CEO)で起業家のイーロン・マスク氏が440億ドルで短文投稿サイト、ツイッターを買収することが決まった。しかしただでさえ多忙なマスク氏がツイッターの面倒まで抱え込み、テスラへの関心を低下させた場合、テスラ経営陣はその穴を埋めきれるほど層が厚いのだろうかと不安の声が出てきている。

4月26日、米電気自動車(EV)大手テスラの最高経営責任者(写真)で起業家のイーロン・マスク氏が440億ドルで短文投稿サイト、ツイッターを買収することが決まった。上海で2019年1月撮影(2022年 ロイター/Aly Song)
4月26日、米電気自動車(EV)大手テスラの最高経営責任者(写真)で起業家のイーロン・マスク氏が440億ドルで短文投稿サイト、ツイッターを買収することが決まった。上海で2019年1月撮影(2022年 ロイター/Aly Song)

 マスク氏はツイッター買収を発表した際に、ツイッターは人類の未来に関する重大な問題を議論する「デジタルタウンの広場」で、言論の自由を確保すると強調した。同時に改めて浮上したのは、かつてセダン車「モデル3」の市場投入時には工場のフロアで寝起きしていたと認め、昨年は自らの労働時間が常軌を逸していると発言したマスク氏に、果たしてどれだけ「余力」があるのかという疑問だ。

 資産運用会社ガーバー・カワサキCEOでテスラ株主のロス・ガーバー氏は「テスラは時価総額1兆ドルの企業になっているにもかかわらず、まるでスタートアップ企業のような感じだ。世界最大級の企業にひけをとらないか、しのぐ存在なのだが、他の大企業に備わる経営のインフラを持っていない」と指摘した。

 さらにテスラは今、サプライチェーン(供給網)混乱と原材料高という逆風の中でテキサス州とベルリンの工場で増産し、新型コロナウイルスの感染拡大に見舞われている中国上海にある同社最大の工場の稼働を正常化させるという課題を背負っている。マスク氏は1月、テスラは目の前にこなすべき事案が多過ぎるので、年内にサイバートラックなどの新型車は導入しないと述べた。

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