欧州連合(EU)は2030年にロシアからの化石燃料の輸入をゼロにして、同国へのエネルギー依存から脱却することを発表した。加盟27カ国のエネルギー事情には違いが多く、同じ目標ですぐに一致することは本来容易ではない。ティム・マクフィー欧州委員会エネルギー政策担当報道官に、今回の発表の背景などについて聞いた。

EUは3月、2030年までにロシアの化石燃料に全く頼らないエネルギー体制を構築することを目指すと発表しました。
ティム・マクフィー欧州委員会エネルギー政策担当報道官(以下、マクフィー氏):持続可能なEU経済に向けた成長戦略として、2年半前に「欧州グリーンディール」が始動しました。以降、脱炭素社会の実現のため長期的な取り組みに着手してきました。そのような状況の下で、化石燃料の主な供給者であったロシアがウクライナに侵攻したため、政治的な観点から、ロシアからの化石燃料の輸入を優先して減らすことになりました。
今回の決定によって、EUのエネルギー政策は変わったのでしょうか。
マクフィー氏:パリ協定で掲げた50年までの温暖化ガス実質排出量ゼロという目標に向けて計画を進めていることに変わりはありません。今回の決定は、急速に変化した世界情勢を鑑みて、目標実現のための手段を改めて検討した結果であり、目指すところはこれまでと同じです。
欧州委員会、5月末に詳細決定
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