日本の電力市場で、価格を巡って異例の現象が起きている。電力の契約先が見つからない需要家にセーフティーネットとして緊急で提供される「最終保障供給」のサービス価格が、新電力や大手電力による自由契約の料金よりも安くなっているのだ。通常は、新電力などの価格のほうが高い。新電力の破綻や大手の新規供給停止を受け、最終保障サービスに駆け込む企業が増えており、供給保障の義務を負う送配電会社が割を食う形になっている。

 「安い電気料金を提供する新電力を見つけられず、2022年1月から最終保障サービスを利用している」

 中澤製本所(東京・新宿)の中澤政毅常務はこう話す。以前は新電力のリケン工業(神戸市)と契約していたが、リケン工業は燃料高騰で収益が悪化するため、21年12月末で中澤製本所との契約を停止した。電力料金の比較サイトを運営するエネチェンジ(東京・千代田)に新たな契約先を探してほしいと依頼したが、応札してくる新電力がなかった。様々な検討をした結果、最終保障サービスを受けることにした。

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