地域別ではアメリカが4%増、ヨーロッパが4%減、アジアパシフィック、アフリカ、中東で10%増、最大のマーケットとなる中国では12%増の8万108台となった。ちなみに日本は、2018年暦年(JAIA調べ)で3.5%増の7166台と初めて7000台を超えた。
そしてブルーメ会長が、「2023年までに新製品に約150億ユーロを投資し、将来的にポルシェは、純粋なエレクトリックドライブシステムでも知られるようになる」と話すように、ポルシェがいま積極的に投資を進めているのが電動化だ。
量産の完全電動車「タイカン」に予約2万台
今年は、ポルシェ初の量産BEV「タイカン」が欧州で発売される。すでに先行予約がはじまっており、予約金(2500ユーロ)を支払った顧客の数は2万人を超えるという。
「タイカン」は日本でも、2020年の発売が正式発表されている。またこのタイミングでタイカンの派生モデルである「タイカン クロスツーリスモ」が2020年に発売になることもアナウンスされた。続いて、次世代のマカンもBEVモデルになることが公表されており(しばらくは内燃エンジンモデルとEVを併売予定)、ポルシェでは、2025年までに販売台数の半分をEVまたはプラグインハイブリッドモデルにするという。そして、2030年にはポルシェの9割以上が電動モデルになると想定している。

ちなみにタイカンはツッフェンハウゼンにあるポルシェの本社工場で生産される。現在、本社工場は911と718(ボクスターとケイマン)という2ドアスポーツのみを生産しており、4ドアモデル(マカン、カイエン、パナメーラ)は、本社から北東に約500km離れたライプツィヒ工場で造られている。
したがってタイカンは、本社工場で造られる初の4ドアモデルになるという。都市部にあって狭い本社工場の敷地内に、既存のスポーツモデルのラインの合間を縫うようにタイカンのラインは敷かれている。そもそも4ドアモデルだし、敷地も広く、生産設備の整ったライプツィヒ工場でなぜ生産しないのかと開発者に尋ねると、「タイカンはポルシェの歴史においてとても重要なスポーツカーだから、どうしても本社工場で造りたかった」という答えが返ってきた。現在はほぼラインが完成し、プリプロダクションモデルの生産が始まっている。

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