独ポルシェAGは2019年3月15日(現地時間)、ドイツ シュツットガルト、ツッフェンハウゼンにあるポルシェミュージアムにて年次記者会見を行った。

ポルシェの2トップ、オリバー・ブルーメ取締役会会長(左)と財務およびIT担当のルッツ・メシュケ取締役会副会長。この新型911は、年内には日本でも発売される予定。(写真:Porsche AG)
ポルシェの2トップ、オリバー・ブルーメ取締役会会長(左)と財務およびIT担当のルッツ・メシュケ取締役会副会長。この新型911は、年内には日本でも発売される予定。(写真:Porsche AG)

業績は絶好調

 2018会計年度(12月決算)の販売台数は25万6255台、売上高は258億ユーロ、営業利益は43億ユーロで、販売台数、売上高ともに8年連続で業績拡大を果たしている。営業利益率は16.6%と、自動車製造業としては驚異的な数字だ。もちろんこれは同社が属するフォルクスワーゲン(VW)グループとしての、インフラが整っているがゆえの高業績だと思われるが、SUVなどでプラットフォームを共有する同門の独アウディAGの営業利益率は7.9%だった。

 実は同時期に行われた年次会見で、VW、そしてアウディも大幅なコスト削減策を発表した。工場や管理部門などの人員削減を実施するという。その要因は電動化だ。一方でポルシェは、2012年以来、従業員数は倍増の3万2325人となり、BEV(バッテリー電気自動車)の生産のために新たに1500人を雇用している。

 そのことに質問が及ぶと、ポルシェAGのオリバー・ブルーメ会長は「われわれは幸い、Eモビリティーにおいて雇用を増やすことができる状況にある。しかし、今後のポルシェの行き先をどこにおくべきかは引き続き検討している」と楽観視できない状況にあることを強調。続いてルッツ・メシュケ副会長が、「ビジネスはますます複雑になっていく。デジタル化やAIなどに大型投資をしなければ、ただ人員を増やすことでしか対応できなくなる。AIだけでも300人の専門家が必要といわれる状況で、事業の拡大を図るにはベンチャーキャピタルやスタートアップ企業との連携が不可欠だ。デジタル化を、現在の人員の雇用を安定したものにするためのものと方向づけている」と述べた。

 そしてブルーメ会長は、「自分の夢からビジネスをつくることができたという幸運に恵まれた者は、世界のためにその夢を守るべきである」という創業者の一人、フェリー・ポルシェの言葉を引用しながら、「成功と責任は密接な関係にある。経済的、社会的、環境保護的な条件のもと、バランスがとれてはじめて成功を手に入れることができる。卓越した収益力があればこそ顧客をはじめ社員と社会にも価値を提供することができる」と話し、2025年戦略として“ポルシェがスポーツカーのトップブランドになる”ビジョンを掲げた。

 ポルシェの2018年度のグローバル販売台数をモデル別に見ると、新型「パナメーラ」が好調だ。前年比で38%増となり販売台数は3万8443台に達した。また欧州においてパナメーラのプラグインハイブリッド比率は60%に到達しており、ポルシェの電動化のけん引役となっている。

新型パナメーラ。セダンタイプとワゴンタイプの「スポーツツーリスモ」の2つのボディタイプがある。欧州ではプラグインハイブリッド比率が60%という。(写真:Porsche AG)
新型パナメーラ。セダンタイプとワゴンタイプの「スポーツツーリスモ」の2つのボディタイプがある。欧州ではプラグインハイブリッド比率が60%という。(写真:Porsche AG)

 そして世界で最も売れているポルシェが、SUVの「マカン」だ。8万6031台と、約33%を占めている。それに続くのがやはりSUVで、新型になった「カイエン」。こちらも12%増の7万1458台と伸びている。また「911」シリーズも、991がモデル末期にもかかわらず10%増の3万5573台のセールスを記録した。

新型マカン。日本でも今夏より発売予定。次期型はアウディと共同開発した電動車両用プラットフォーム「PPE」(プレミアム・プラットフォーム・エレクトリック)を使用したBEV(バッテリー電気自動車。いわゆる「EV」だが、燃料電池を使う車両と区別するためにこう呼ぶ)になるという。(写真:Porsche AG)
新型マカン。日本でも今夏より発売予定。次期型はアウディと共同開発した電動車両用プラットフォーム「PPE」(プレミアム・プラットフォーム・エレクトリック)を使用したBEV(バッテリー電気自動車。いわゆる「EV」だが、燃料電池を使う車両と区別するためにこう呼ぶ)になるという。(写真:Porsche AG)
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