全国の高校の約4割にあたる2000校で導入されているリクルートの授業動画配信サービス「スタディサプリ」。学校の現場に普及した要因にはコンテンツを磨き続けたことに加えて、1960年の創業以来、事業領域を広げ続けて成長を果たしたリクルートの営業力がある。

リクルートが「畑違い」の教育分野で存在感を見せている(写真:ロイター/アフロ)

 デジタルコンテンツのビジネスは、一度つくったものを手間をかけずに売ることで効率化が図れる。このためスタディサプリについても、学校が好きなコンテンツを好きなように使ってもらえればそれでいい、という考え方があってもおかしくない。

 しかし「それでは現場で本当に使い勝手のいいものとして広がらない」というのが、リクルートのとらえ方だ。

 同社はスタディサプリを採用しているすべての学校に、営業担当者を置いている。担当者には、サービスを採用してもらった後にも仕事がある。長い取引関係を築くため、積極的に活用方法などを提案していく。

 2020年6月からすべての県立高校・特別支援学校でスタディサプリを採用している愛知県。リクルートは営業担当者を約3倍に増やし、1人10校ほどを担う形で個別の高校をサポートし始めた。

 同県の営業を担当する木村健太郎部長は「各校が何を重視したいかヒアリングし、それぞれに合った利用方法を提案して回っている」と語る。

 細かい使い方はもちろんのこと、例えば専門学校への進学や就職希望者が多い高校があれば、簿記試験の対策など資格講座の活用を勧める。総合型選抜(旧AO入試)や学校推薦型選抜(旧推薦入試)で大学に進みたい生徒が多い高校には、小論文など入試の形に合わせた講座の使い方を伝える。豊富なコンテンツがきめ細かい営業に生きるのだが、役割はこれだけではない。

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