プロサッカーチームの大分トリニータは2021年シーズンでJ2リーグに降格となった。降格は4季ぶり3度目だ。少ない予算を戦術で補ってきたが、主力選手が複数引き抜かれた。西山哲平ゼネラルマネージャー(GM)はそのダメージを穴埋めできなかったと悔やむ。地域クラブとしての経営を成立させる難しさは、多くの企業の経営に共通する悩みでもある。

西山哲平(にしやま・てっぺい)氏
西山哲平(にしやま・てっぺい)氏
1975年千葉県柏市生まれ。高校中退後、ブラジル・クリシューマECでプレー、93年ベルマーレ平塚(現湘南ベルマーレ)でプロデビュー。モンテディオ山形を経て2002年に大分加入、09年引退。16年強化部長、20年から大分トリニータゼネラルマネージャー。

 うちのクラブは予算規模がJ1で最低クラス、2018年にJ1昇格を決めたときでもJ2で真ん中より少し下くらいでした。「予算規模イコール順位」ではないと考えてチームを編成し戦っているつもりではありますが、長い目で見るとどうしてもその2つがリンクしてくるのも事実です。

 そのため、ゼネラルマネージャーの私や招へいしてくる監督がいかに工夫してチームを作っていくか、戦術を積み上げていくかがポイントだと思っています。昨シーズンも、それ以前もずっと継続してやってきました。

 その中で、毎年のように選手をビッグクラブに引き抜かれてしまう現実があります。J1に復帰した19年、20年はその移籍のダメージよりも積み上げてきたもののほうが上回っていたので、リーグ戦の順位も中位で残留できました。

プロサッカーチームの大分トリニータは2021年シーズンでJ2リーグに降格となった。降格は4季ぶり3度目だ。
プロサッカーチームの大分トリニータは2021年シーズンでJ2リーグに降格となった。降格は4季ぶり3度目だ。

この記事は会員登録で続きをご覧いただけます

残り1835文字 / 全文2353文字

【春割/2カ月無料】お申し込みで

人気コラム、特集記事…すべて読み放題

ウェビナー・音声コンテンツを視聴可能

バックナンバー11年分が読み放題

この記事はシリーズ「Views」に収容されています。WATCHすると、トップページやマイページで新たな記事の配信が確認できるほか、スマートフォン向けアプリでも記事更新の通知を受け取ることができます。