「経済の核オプション」を決断

 EUは「経済の核オプション」も呼ばれる制裁――ロシア銀行のSWIFTからの排除――を決めた。SWIFTは国境を越えた迅速な決済を可能にし、国際貿易を円滑に行うための情報通信システムだ。

 「ロシアの銀行がSWIFTから排除されると、同国は世界中の金融市場へのアクセスが困難になる。ロシア企業は輸出入品の決済、国をまたいだ投資や借り入れが難しくなる。ロシアの主要輸出品である石油や天然ガスなどのエネルギーの決済が他国とできなくなるため、ロシアは収入源が断たれる」

 この措置は、ロシア通貨ルーブルの下落、そしてインフレを招くだろう。苦しみを強いられるロシアは報復に打って出る公算が大きい。西側諸国も“返り血”を浴びる覚悟が必要だ。

西欧向けガスの供給停止はあるか。

 ロシアが取り得る報復手段として懸念されるのが欧州向け天然ガスの供給停止だ。欧州はその4割をロシアからの輸入に頼っている。欧米諸国はこれを補うべく対応を進めるが、不足分をすべて補うことは難しい。また、欧州諸国の動きは世界のガス価格上昇を招き、アジア諸国や日本の経済にも影響する恐れがある。

 この動きは欧州のエネルギー事情を大きく変えそうだ。そして日本も例外ではない。

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