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離れていると、部下の仕事状況が分からず、評価がしづらい

 テレワークのコンサルティングをしていると、「テレワークをする社員の仕事は、どのように評価するのですか?」という質問を、よくいただく。そのときは、丁寧にこう質問するようにしている。「御社では、オフィスにいらっしゃる社員を、どのように評価されているのですか?」

 ほとんどの方が、答えにつまる。つまり、目で確認できる「必死でパソコンのキーボードをたたいている」「遅くまで仕事をしている」ことに重点があることに気づくからだ。そして、コンサルティングでは、今の評価制度から見直すのがベストという流れに持っていく。

 しかし、今は非常時である。今、「仕事ぶりを、目で確認している」のであれば、同様のことが、テレワーク(在宅勤務)であってもできるようにすればいい。

 最近は、離れていても「業務の見える化」が可能なツールが登場している。業務時間中のアプリの利用時間をグラフ化したり、作業画面を保存したりするものだ。「テレワークなのだから、監視するのではなく、成果をみるべきだ」という人も少なくない。しかし、「仕事ぶり」で評価していた管理職に、「明日から成果で評価」と言われてもできないだろう。ここは、その手のツールをしっかり使っていくことだ。

「紙」ベースで仕事をしている会社、テレワークができない

 その通り。会社のキャビネットには、大量の資料が紙で保管されている。手書きの伝票や、ハンコを押す稟議(りんぎ)書が、社内を行き交っている。そんな状況で、それぞれの自宅に「紙」を持ち帰って、仕事ができるはずがない。

 しかし、今は非常時である。過去の紙をすべてデジタル化するには膨大な時間がかかる。まさに、今から使う資料のみ、デジタル化するしかない。これまでは紙が原本だとしても、その資料を作ったのはパソコンのはず。そのファイルを、一時的にでも「原本」としよう。手書きの伝票は、スマホで写真に撮ればいい。撮影した資料の写真をPDF化するどころか、スキャンした文字をデジタルに変換してくれるスマホアプリもあるのだ。

テレワーク時は、自律的に仕事をしなくてはいけない

 「テレワークだと時間管理ができない」と考える人が、まだまだ多い。管理ができないので、「さぼる人」や「過剰労働になる人」が出てくることを心配する。結果として「自律的に仕事ができると、上長が判断した人だけが、テレワークを許可する」という、企業も少なくない。

 しかし、今は非常時である。どう考えても「さぼりそうな人」や、「働きすぎそうな人」がテレワーク(在宅勤務)することに対し、「リスクはあるけど、会社に来なさい」とは言えないだろう。

 会社で仕事をしているのと同様に、「さぼれない」「働きすぎない」環境を用意することが重要だ。これも、ICT(情報通信技術)ツールを使うことで解決できる。Webタイムカードで、細切れの労働時間(子どもの世話などは仕事時間に算入しないなど)を管理できるようにする。また、勤務中にさぼっているかどうかは、前述の「業務の見える化」ツールと組み合わせよう。