5〜11歳を対象にした新型コロナウイルスのワクチン接種が始まった。厚生労働省は接種を推進するものの、専門家からは疑問の声が上がっている。小児は感染しても重症化率は圧倒的に低く、これまで10代未満のコロナ死はゼロ。同省自身が5~11歳にオミクロン株の予防効果があるという明確なエビデンス(証拠)は現段階でないと認める。全国各地で医師が有志の団体を立ち上げ、接種中止を掲げる動きも広がる。小児へのワクチン接種をどう考えればよいのか。

 「泉大津市は一律送付をしません!」。大阪府泉大津市の南出賢一市長は2月19日、ツイッターでこうしたメッセージを出した。「5~11歳の接種の安全性やワクチン効果などに関する十分な情報やデータがそろっていない」「予防接種法の『努力義務』の規定はない」ことから対象世帯に接種券を一律送付せず、希望者のみ申請する方式を採用した。

泉大津市の南出市長はツイッターで接種券を一律送付しないと宣言
泉大津市の南出市長はツイッターで接種券を一律送付しないと宣言

 泉大津市だけではない。愛知県大府市や茨城県常総市など一律送付しない自治体は相次いでいる。一律送付する自治体が大半だが、東京都多摩市のように「慎重な対応」を呼びかける市町村は多い。

 5~11歳のワクチン接種は、オミクロン株に対して効果はあるのか。後藤茂之厚生労働大臣は国会で、「直接のデータは現時点ではない」としたうえで「成人と同様の効果があると推測されている」と答弁している。

 厚生労働省は米国の臨床試験のケースを引き合いに、「コロナウイルスに感染歴のない人を対象に、2回目接種後7日以降の発症予防効果を確認したところ、90.7%であった」と説明するが、見落としてはならないのがその後に続く一文だ。

東京都多摩市もホームページで慎重な判断を呼びかけている
東京都多摩市もホームページで慎重な判断を呼びかけている
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