新型コロナウイルス禍が続く中で起きたガンダムのプラモデル(ガンプラ)の驚くほどの品薄状態と価格高騰。その裏でガンプラを買い漁り、メルカリやヤフオクに高値で出品する転売ヤーの実態、量販店やメーカーの対応などに迫る本連載。どこに行ってもガンプラが買えない状況と転売などによる価格高騰に不満を募らせるモデラーを取り上げた第1回の記事「ガンプラはどこに消えた? 暗躍する転売ヤー 怒るモデラー」、知られざる転売ヤーの実態に迫った第2回の記事「ガンプラ不足の元凶? 転売ヤーの正体 近づくバブル崩壊の足音」に続き、今回の記事では、ガンプラ不足と転売の最新状況の調査に加えて、ガンプラを製造・販売するBANDAI SPIRITS(バンダイスピリッツ、東京・港)に直接質問をぶつけた。

ガンプラ価格は今?

 空前のガンプラブームが続く中で極端な品薄が起き、メルカリやヤフオクなどでメーカー希望小売価格を上回る高値の出品が目立っていた状況は足元では改善されているのだろうか。転売が多かった「RG 1/144 Hi-νガンダム」や「HGUC 1/144 ナイチンゲール」に関して調査した。オークションアプリや中古品を扱う店舗など販路は多岐にわたるため、実際の販売数や流通価格の平均値を抽出することは非常に難しい。ネットショッピング・オークションの相場、統計価格比較サービスを提供するオークファンの協力の下、ヤフオクの取引価格を検証してみた。

「RG 1/144 Hi-νガンダム」はたびたび再販されるが、店頭に並ぶとすぐに売り切れる。多くの転売ヤーが転売したとされている。次の再販タイミングは22年4月とも噂されるが、果たして品切れ状況は改善するのだろうか
「RG 1/144 Hi-νガンダム」はたびたび再販されるが、店頭に並ぶとすぐに売り切れる。多くの転売ヤーが転売したとされている。次の再販タイミングは22年4月とも噂されるが、果たして品切れ状況は改善するのだろうか

 まず「RG 1/144 Hi-νガンダム」はメーカー小売価格4980円(税込み)に対し、発売直後の2021年9月の平均取引価格は8685円と7割以上高かった。一般小売店で販売されるよりもはるかに高い価格で取引されていたが、発売後の21年11月と22年1月に再販を行うことをバンダイ側が公式発表。追加入荷の情報を背景に発売翌月の平均落札価格は7413円と下落し、極端な高騰には一定のブレーキがかかった。それでもメーカー希望小売価格を上回る水準で推移しており、2022年1月時点の平均落札価格は6967円となっている。

 一方、「HGUC 1/144 ナイチンゲール」はそこまで価格が高騰していない。メーカー小売価格7700円(税込み)に対して、ヤフオクの平均落札価格は22年1月時点で8637円。ナイチンゲールは量販店などの店頭で目にすることが少ない人気商品だが、バンダイが断続的に供給量を増やしたこともあり、RG 1/144 Hi-νガンダムほどの高値はついていないようだ。もちろん取引の際にはヤフオクに支払う手数料もかかる。高値転売のイメージと違って、ナイチンゲールについては転売ヤーが高値で出品して利益を得やすいような状況は、ヤフオクでは確認できていない。 

 ちなみにHGUC 1/144 ナイチンゲールをメルカリで検索すると1万円前後で出品、落札された事例が多く見つかる。メルカリはヤフオクと比較して送料込みの出品が多いため、メーカー希望小売価格より2割前後高い価格で転売されるケースが目立っているようだ。 

次ページ バンダイが生産調整する可能性も