2022年に入り36都道府県が新型コロナウイルスの「まん延防止等重点措置」の適用に動き、10日には13都府県の適用延長を政府が決定した。そうした中、21年から一貫して背を向けるのが奈良県だ。日経ビジネスの取材に応じた荒井正吾知事は「まん延防止は効果が実証されていない。やる意味がない」と主張、死亡者を増やさない「守りの戦略」に軸足を置く。独自モデルでコロナの試練を乗り越えられるか。

<span class="fontBold">荒井正吾(あらい・しょうご)氏</span><br />奈良県知事<br />1968年東京大学法学部卒、運輸省(現国土交通省)入省。97年自動車交通局長、99年海上保安庁長官。参議院議員を経て2007年奈良県知事に当選し現在4期目。奈良県出身。(写真:山本尚侍)
荒井正吾(あらい・しょうご)氏
奈良県知事
1968年東京大学法学部卒、運輸省(現国土交通省)入省。97年自動車交通局長、99年海上保安庁長官。参議院議員を経て2007年奈良県知事に当選し現在4期目。奈良県出身。(写真:山本尚侍)

 荒井知事は流行中のオミクロン型の特性について「強い感染力はあるが重症化率は低く、死亡者も少ない」との前提に立って対策を進めている。デルタ型がもたらした「第5波(21年7月半ばから10月初め)」の奈良県の新規感染者数に対する重症者数の割合は1.26%だったが、オミクロン型が主流の12月27日から22年2月2日までの間では0.2%に低下。死亡率も当時の0.24%から0.07%に下がった。

 この状況を踏まえ、同知事は「ゼロコロナやコロナ絶滅は難しい。奈良県は『ウィズコロナ』に作戦の軸足を置いている。(人流抑制などで)感染者数を減らすのはとうてい無理。数を抑え込む『攻め』ではなく、とにかく医療体制に重点を置いて重症者、死亡者を増やさない『守り』の戦略に徹している」と言う。

 アメリカンフットボールを引き合いに「守りと攻めを分けるのが重要だが、日本政府は曖昧なまま。明確な意思決定ができていない」と指摘する。

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