もうからなくなったガンプラ転売

 それでもメーカー希望小売価格よりも高いプレミアム価格ではある。だが、希望小売価格の2~3倍で取引されている印象もあった過去と比べると相場の下落が感じられるようになっている。例えば、メルカリで販売されているナイチンゲールを見てみよう。直近の取引価格の最安値は9,000円前後だ。

送料1300円、メルカリ手数料900円、梱包材200円と仮定した場合
送料1300円、メルカリ手数料900円、梱包材200円と仮定した場合

 現在は1万円以上で取引されているものは少なく、最近出品された商品の多くは利益が出ていないと試算することもできる。

 こうして転売ヤーは損失を出し、モデラーも希望小売価格より高い値段で購入する。つまりガンプラ転売で利益を得るのは、転売のプラットフォームを提供するメルカリやヤフオクなどのサービス提供者や配送業者ぐらいというのが現実になりつつあるのもしれない。

 それでも、仮にメルカリなどを規制できたところで、こういった転売はなくならないと転売業者は考えている。「万が一、フリマアプリで扱えなくなったとしても問題ないように、大手の転売業者は複数の販売ルートを確保しているので意味がない」(同転売業者)

転売業者の発言を裏付けるように、原価割れでガンプラを販売するケースも確認できる。ただ、こうした安価な商品を購入して、再度転売を狙う人が出てくる可能性もありそうだ。
転売業者の発言を裏付けるように、原価割れでガンプラを販売するケースも確認できる。ただ、こうした安価な商品を購入して、再度転売を狙う人が出てくる可能性もありそうだ。

 『閃光のハサウェイ』や『逆襲のシャアMSV(モビルスーツ・バリエーション)』関連の再販が進めば、「転売業者は損切りしてでもすでに持っている在庫のババ抜き(処分)を始めるはずだ」ともいう。現時点では量販店などにまだあまり商品は並んでないものの、高騰が目立ったガンプラの価格は落ち着きつつある。「『今作らないと死んでしまう』と思っているような熱心なモデラー以外はあと数カ月待てば、ガンプラを安く買えるボーナスタイムがやってくる。その代わり、個人転売ヤーは引き際がわからず大損するだろう」と指摘する。

 では大人気だった「RG 1/144 Hi-νガンダム」の相場は今どのように変動しているのか。また、生産元であるBANDAI SPIRITS(バンダイスピリッツ、東京・港)は、今回の事態をどう考えているのか。次回の記事ではメーカーや模型店などの取材からガンプラ不足の問題をさらに掘り下げていく。

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