ガンプラバブルは近々弾ける?

 転売業者は海外では「スキャルパー」と呼ばれている。スキャルピングと呼ばれる短いスパンで取引回数を増やすことが基本だ。今はガンプラのニーズは高いが、バンダイ側が生産能力を増強して、一気に流通を増やす可能性もある。このため、「ガンプラバブルは近々弾ける」と分析しているという。

 また、諸経費については、個人の転売ヤーも転売業者も、もうけにくいという課題があるようだ。

 「ガンプラのHG(ハイグレード)ならまだしも、上位グレードのPG(パーフェクトグレード)やMG(マスターグレード)は箱が非常に大きい。しっかり梱包すれば送料が高くなるし、在庫も場所を取る。だから扱いにくい」

 例えば、「HGUC 1/144 MSM-07S ズゴック(シャア専用)」。元値は700円。サイズが60(縦・横・高さの合計が60cm以下)の場合、出品者が東京在住で、購入者が関東や北陸圏であれば佐川急便で770円。もし九州や北海道だったら1210円を超える。一方でアマゾンでの価格相場は2000~2500円。逆算すれば1個販売しても利益は500円を切る。

 最近は「モデラーの間で(元値よりも高い)転売商品をむやみに買わないような空気が形成されつつあるため、転売の市場規模は急速にシュリンクしている」とこの転売業者は考えている。

 ガンプラを転売していた頃の購入者リストも、個人情報を秘匿する形で確認させてもらった。確かに関東圏が少ない。逆に地方の顧客が圧倒的に多い。大規模な量販店がない場所ほど、インターネットで購入するしか選択肢がないからかもしれない。

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 この業者の読みを裏付けるように、『機動戦士ガンダム 逆襲のシャア ベルトーチカ・チルドレン』に登場する「HGUC ナイチンゲール」といった人気のガンプラについても足元では価格高騰が落ち着きつつあるようにも感じられる。

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