顧客から苦情が出れば。配達員に罰金
しかし配達員側はこれを否定する。彼らの多くはロイターに、急ぐ気持ちから目的地に着く前からもう注文を「配達されました」という表示にしているが、顧客からそれに苦情が出れば300ルピー(4.03ドル)の罰金を払わなければならないと説明した。
またロイターが取材したムンバイのブリンキットの配達員がワッツアップに開設しているグループでの会話にも不満の声が寄せられている。時間を守るため急いでいた矢先に負傷したというある運転手の写真が投稿されると、1人のユーザーが「この10分(配達)は禁止すべき」とコメントした。
インドでは「ギグエコノミー(単発契約型労働でお金が回っている経済)」が拡大しているものの、まさにその裏で労働者が不当な扱いを受けたり、過酷な労働条件を上向かせる闘いに苦戦したりしている様子がうかがえる。
配達料問題
ブリンキットは同社事業を1000億ドル規模に拡大していきたい考え。ゼプトは足元で5億7000万ドルとなっている評価額を、200億ドルに引き上げることを目指している。
インドの実店舗小売企業として最も大きいリライアンスは今月、19分で配達するサービスを手掛ける新興企業への出資を表明した際に、Qコマース市場には500億ドル相当の商機があるとの見方を示した。
もっとも2-3ドルの配達料を課すほとんどの外資系企業と異なり、インドの新興企業はほとんどが無料で配達をしている。大半の注文を5時間以内に届けるというビッグバスケットの人事責任者T・N・ハリ氏は「無料配達では事業が立ちゆかなくなる公算が大きい。そして事業が存続できるだけの配達料を徴収すれば、市場規模は小さくなってしまいそうだ」と悩みを口にした。
(Aditya Kalra記者、Abhirup Roy記者)
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