女性パイロットのハナ・カーンさんは半年前、インドのイスラム教徒女性をオークションに掛けるかのように装ったアプリに自分の写真が掲載されているのを見つけた。このアプリはすぐに削除され、誰も起訴されず、問題はうやむやになった。しかし元日にはまた、同じようなアプリが現れた。

 新たなアプリは活動家、ジャーナリスト、俳優、政治家、ノーベル平和賞受賞者マララ・ユスフザイさんらをメイドとして「販売」していた。カーンさんは載っていなかった。こうした偽のオークションはソーシャルメディア(SNS)で広く拡散されている。

 激しい怒りが巻き上がり、このアプリは削除され、今週に入って容疑者4人が逮捕された。

 テクノロジーの悪用は他にも枚挙にいとまがない。最新技術はしばしば、容易に素早く、しかもわずかな費用で、ネット上の虐待やプライバシーの侵害、性的搾取などによって女性を危険にさらすのに利用されている。

最新技術はしばしば、容易に素早く、しかもわずかな費用で、ネット上の虐待やプライバシーの侵害、性的搾取などによって女性を危険にさらすのに利用されている。写真はイメージ。2019年12月撮影(2022年 ロイター/Regis Duvignau)
最新技術はしばしば、容易に素早く、しかもわずかな費用で、ネット上の虐待やプライバシーの侵害、性的搾取などによって女性を危険にさらすのに利用されている。写真はイメージ。2019年12月撮影(2022年 ロイター/Regis Duvignau)

 インドのイスラム教徒の女性にとって、ネット上での虐待は日常茶飯事だ。彼女らはSNSを使い、少数民族のコミュニティが憎悪や差別を受けていると訴えているが、その努力もむなしく日々リスクに直面する。

 カーンさんはトムソン・ロイター財団の取材に、「アプリで自分の写真を見たとき、世界が震えるようなショックを受けた。誰かこんなことをするのかと混乱し、怒りがこみ上げてきた。この正体不明の人物が野放しになっていると気づき、さらに怒りが増した」と話した。

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