他社との違い

 テスラは多数のライバルより多くのハードウエアを設計し、ソフトウエアを作成している半面、他のメーカーはこれらをサプライヤーに依存している。

 マスク氏は、自社について「他の自動車企業と比べ、途方もないほど垂直統合が進んでいる」と胸を張る。

 「われわれは自分たちで基板を設計するので、パワーチップなど代替品を受け入れる形にすぐに設計変更ができる」と、テスラ関係者の1人は話した。

 社内のエンジニアらは、マスク氏が「車輪上のコンピューター」と呼ぶテスラ車を動かす複雑なソフトの大部分を設計している。

 ライト・テックのケビン・アンダーソン氏によると、一部の既存メーカーは、リスクを伴う半導体の修正や別の半導体工場の製品を使うことには慎重だ。「(既存メーカーの中には)こうした変更で意図せざる結果に見舞われ、多くの時間を費やした過去がある。テスラのような企業は、それほど長い経験を持っていない」と述べた。

垂直統合の進ちょく度

 テスラは運転支援システム用の半導体も設計し、座席からバッテリーセルまでさまざまな部品を内製化している。独自の直営販売・サービス・充電施設網もある。

 マスク氏は「われわれは車に関して、他のオリジナル製品メーカー(OEM)よりもずっと多くの部分を設計、製造している。彼らは総じて伝統的なサプライベース、私の呼び方ではカタログ・エンジニアリングに向かうので、とてつもなく大胆にはなれない」と指摘した。

 セラフ・コンサルティングのアンブローズ・コンロイCEOは「テスラは他のメーカーが望めないほどの水準で車の製造工程をコントロールしている。ヘンリー・フォードが「T型」で最初に成し遂げた(垂直)統合に極めて近い」と述べた。

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