日経平均は1月6日、800円を超す大幅な下げとなった。米連邦公開市場委員会(FOMC)議事要旨をきっかけに金利が上昇。新型コロナウイルス感染拡大によるリスク回避ムードが強まる中で、株価収益率(PER)が高い銘柄への評価が厳しくなり、トヨタ自動車とソニーグループで明暗が分かれる展開となった。

正月ムードが一変

 トヨタ、ソニーの両銘柄とも前日5日は大きく株価が上昇していた。トヨタは2021年の米国の自動車販売台数がゼネラル・モーターズ(GM)を超えて首位になり、ソニーは電気自動車(EV)の新会社を今春設立と材料が出たことで、日本株のスタートダッシュをけん引するとの期待も出ていた。

 ところが1日でムードは一変。6日の市場でトヨタは、終値こそ小幅安になったが、場中はプラスで推移する時間が長かった一方、ソニーは6%を超えて下落し、前日のプラス幅を超える下げとなった。5日に発表された米連邦公開市場委員会(FOMC)議事要旨(12月14─15日開催分)が予想よりタカ派的と受け止められ、金利が世界的に上昇。株価のバリュエーションを見直さざるを得ない状況になってきたためだ。

1月6日、日経平均は800円を超す大幅な下げとなった。FOMC議事要旨をきっかけに金利が上昇。新型コロナウイルス感染拡大によるリスク回避ムードが強まる中で、PERが高い銘柄への評価が厳しくなり、トヨタ自動車とソニーグループで明暗が分かれる展開となった。写真は東京証券取引所で2013年5月撮影(2022年 ロイター/Toru Hanai)
1月6日、日経平均は800円を超す大幅な下げとなった。FOMC議事要旨をきっかけに金利が上昇。新型コロナウイルス感染拡大によるリスク回避ムードが強まる中で、PERが高い銘柄への評価が厳しくなり、トヨタ自動車とソニーグループで明暗が分かれる展開となった。写真は東京証券取引所で2013年5月撮影(2022年 ロイター/Toru Hanai)

 両銘柄とも日本を代表するグローバル企業であり業績もともに好調だが、今回の材料の評価と、株価のバリュエーション面ではやや違いがある。

 トヨタの材料は販売実績であり、2022年3月期の業績に対し確実に貢献する材料だ。一方、ソニーのEV新会社はこれからの材料であり、業績への貢献度は不透明要素も多い。その半面、ソニーのPERは24倍とトヨタの12倍に対し、株価は高い位置にある。

 PERは一株利益に対してどれだけ株価が高いかを示す。つまり高PER銘柄ほど投資に対するリターン(益回り)は低い。金利上昇局面では、債券などと比較して、高PER銘柄ほど、その利回りの魅力が落ちる。金利上昇局面でグロース株よりバリュー株が選考される理由だ。

 金利上昇が警戒され全面安商状となる中、資金は「逃避先としてトヨタに集まったようだ」と、水戸証券の酒井一チーフファンドマネージャーは指摘する。

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