問題はテスラだけではない
テスラのイーロン・マスク最高経営責任者(CEO)は12月22日、「急激な利下げ」で新・中古車の価格が上昇したものの、同社としては販売台数の伸びを維持するため価格を引き下げ、結果として利益率が低下する可能性があると述べた。
テスラはメディア向け広報部門を解散しており、ロイターがメールで送った問い合わせに対する回答はなかった。
実際には、問題を抱えているのはテスラだけではない。
グローバル規模で自動車生産が苦境を迎えたことで、米国の中古車市場は活況を呈したものの、あるアナリストの言葉を借りれば、今や「中古車不況」に直面している。先週、中古車販売企業カーマックスは第3・四半期について86%の減益を発表した。
とはいえ、不調が目立つのはやはりテスラだ。エドマンズ・ドット・コムのアイバン・ドゥルーリー氏によると「これまで長いこと、基本的には中古EVと言えばテスラしかなかった」ため、他のブランドと比べて価格が高騰した要因が強く働いたという。
だが、EV専門の調査会社リカレントでコンテンツマーケティング担当マネジャーを務めるリズ・ナジマン氏は、米フォードの電動ピックアップトラック「F-150ライトニング」や韓国・現代自動車の「アイオニック5」といったEVが市場に登場し、大きな話題を呼んでいると指摘する。
ソフトウェア技術者のグレッグ・プロフィットさんは2021年、テスラ「モデルY」の新車を4万9000ドルで購入。3カ月後、1万2000ドル上乗せした価格で手放した。彼はまた新車を注文したものの、結局、中古のテスラを値引き価格で購入した。
「経済状況を考えると、新車を購入するのはちょっと怖い」とプロフィットさん。新たに発表された7500ドルの値下げについても、需要を維持するには小幅すぎるだろうと話した。
(Hyunjoo Jin記者、Nivedita Balu記者 翻訳:エァクレーレン)
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