日本イノベーター大賞の受賞者からイノベーションのヒントを学ぶ。第9回は、マーケティング分野の「日経クロストレンド賞」を受賞した、バーチャルYouTuberのキズナアイさん。キズナアイさんが登場して以来、応援し続けているバーチャルタレントのプロデュースなどを手掛けるActiv8の大坂武史代表取締役に話を聞いた。
■第17回 日本イノベーター大賞 表彰式 観覧募集(無料)
第17回 日本イノベーター大賞の受賞者や選考委員が一堂に集まる表彰式をご覧になりませんか。観覧希望(無料)を受け付けます。定員(200人)に達し次第、締め切らせていただきます。
- +日時:2019年2月26日(火) 16:30~(16:00受付開始)
- +第1部:16:30~17:20 表彰式
- +第2部:17:30~18:30 受賞者・選考委員によるトークセッション
- +場所:グランドプリンスホテル高輪プリンスルーム(東京・港区)
観覧ご希望の方は、以下の登録フォームにご記入ください。
■日本イノベーター大賞の詳細
日本イノベーター大賞受賞者決定、大賞は良品計画の金井政明会長
◇大賞
金井政明氏 良品計画 代表取締役会長(兼)執行役員
◇日経ビジネス賞
関家一馬氏 ディスコ 代表取締役社長 最高経営責任者(CEO)
◇日経ビジネス50周年特別賞
松本恭攝氏 ラクスル 代表取締役社長CEO
◇日経xTECH(クロステック)賞
島正博氏 島精機 代表取締役会長
◇日経クロストレンド賞
キズナアイ バーチャルYouTuber
(代理人:大坂武史氏 Activ8代表取締役)
◇日経ビジネスRaise賞
小林晋也氏 ファームノート 代表取締役
◇日経ビジネスRaise賞ベスト5(ファームノート小林氏に次ぐ上位)
城口洋平氏 ENECHANGE 代表取締役会長
羽生雄毅氏 インテグリカルチャー 代表取締役
石﨑雅之氏・フレッド・アルメイダ氏 アセントロボティクス 代表取締役CEO/創業者・チーフアーキテクト
倉原直美氏 インフォステラ 代表取締役CEO
YouTubeチャンネルの登録者は240万人を超え、総視聴回数は2億回に迫る──。デビューして2年余り、破竹の勢いでファンを広げるアイドルがいる。彼女の名は「キズナアイ」。アイドルと言っても、3Dのバーチャルアイドルだ。いわば「バーチャルYouTuber(=VTuber)」の先駆けであり、今や単独ライブに加え、ニュース番組への出演を果たすなど、“バーチャルタレント”というべき新たな地平を切り開こうとしている。

そのキズナアイを見いだした企業が、Activ8(アクティベート、東京・渋谷)。代表取締役の大坂武史氏は16年9月、「生きる世界の選択肢を増やしたい」と同社を起業した。バーチャルタレントを支援するプロジェクト「upd8(アップデート)」を発足し、18年8月には約6億円の資金調達に成功。キズナアイのような美少女から、囚人、ネコに至るまで、所属タレントは約60人を数える。
なかでも、キズナアイのスター性は抜群だ。18年12月には、音楽プロデューサーの中田ヤスタカ氏と共に、オリジナル楽曲を制作すると発表。大坂氏自身も驚くほどのスピード感で、売れっ子街道を驀進(ばくしん)している。
「18年はネット動画メディアという枠の外に出て活動を始めた。ライブにテレビにと、臆せずチャレンジし続けていること自体が、彼女の強烈な個性だと思う」(大坂氏)。
ボーカロイドとして一世を風靡した初音ミクとは異なり、キズナアイは、明確な人格を有する。大坂氏の言葉を借りれば、「彼女自身が我々と同じ時間軸、同じ世界観を生きている」。その世界観を表現する舞台が、VR(仮想現実)だ。
「生まれ持った身体的特徴や、現実では越えられない物理的な制約も、VRの世界であればゼロから構築できる。不可能だったことが可能になる、究極の自由がそこにある」(大坂氏)。
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