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 日本イノベーター大賞の受賞者からイノベーションのヒントを学ぶ。第7回は大賞に選ばれた、「無印良品」を運営する良品計画の金井政明会長へのインタビュー後編(前編:「地球にやさしく」なんて傲慢だ)。ファウンダー(創業者)たちの遺志を継ぐデザイナーたちが、「水」のように普遍的で、「生活のOS」として幸せを届ける事業を追求する仕組みを明かす。

■第17回 日本イノベーター大賞 表彰式 観覧募集(無料)

第17回 日本イノベーター大賞の受賞者や選考委員が一堂に集まる表彰式をご覧になりませんか。観覧希望(無料)を受け付けます。定員(200人)に達し次第、締め切らせていただきます。

  • +日時:2019年2月26日(火) 16:30~(16:00受付開始)
  • +第1部:16:30~17:20 表彰式
  • +第2部:17:30~18:30 受賞者・選考委員によるトークセッション
  • +場所:グランドプリンスホテル高輪プリンスルーム(東京・港区)

観覧ご希望の方は、以下の登録フォームにご記入ください。

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■日本イノベーター大賞の詳細
日本イノベーター大賞受賞者決定、大賞は良品計画の金井政明会長

◇大賞
金井政明氏 良品計画 代表取締役会長(兼)執行役員

◇日経ビジネス賞
関家一馬氏 ディスコ 代表取締役社長 最高経営責任者(CEO)

◇日経ビジネス50周年特別賞
松本恭攝氏 ラクスル 代表取締役社長CEO

◇日経xTECH(クロステック)賞
島正博氏 島精機製作所 代表取締役会長

◇日経クロストレンド賞
キズナアイ バーチャルYouTuber
(代理人:大坂武史氏 Activ8代表取締役)

◇日経ビジネスRaise賞
小林晋也氏 ファームノート 代表取締役

◇日経ビジネスRaise賞ベスト5(ファームノート小林氏に次ぐ上位)
城口洋平氏 ENECHANGE 代表取締役会長
羽生雄毅氏 インテグリカルチャー 代表取締役
石﨑雅之氏・フレッド・アルメイダ氏 アセントロボティクス 代表取締役CEO/創業者・チーフアーキテクト
倉原直美氏 インフォステラ 代表取締役CEO

かない・まさあき
1957年生まれ。西友ストアー長野(現・西友)を経て、93年に良品計画入社。担当部長として長きにわたり売り上げの柱となる生活雑貨をけん引し成長を支える。常務、専務などを歴任した後、08年2月に代表取締役社長に就任。15年5月から現職。
(写真:的野弘路)

クリエーターは人真似をしない

良品計画にはデザイナーがメンバーとなっている「アドバイザリーボード」という組織があります。デザイナーと協業するのはどうしてですか。

金井氏:経営というのは人のまねができるんですよ。だから経営のハウツー本がたくさん出ているでしょう。しかし、クリエーション(創造)の世界はそれができません。コピーは死んでもできない。そうすると、自分の頭から出さざるを得ないという宿命があります。

 デザイナーは経営者みたいに、ピーター・ドラッカーやマイケル・ポーターがこう言ったとか、そういうことをまねできない。その代わりに、哲学や、あるいは思考に至る背景を一生懸命勉強するんです。ル・コルビュジエがどういう思考であのような建築をしたかとか、倉俣史朗がどういう思考であのようなデザインをしたとか。それはもう一生懸命考えます。

 そういった意味で、デザイナーというよりもクリエーターたちの思考が、先ほどお話しした我々の違和感に対する解決策を探すうえで、大変参考になるのです。

 また、どうしても企業というのは、“天動説”になってしまうものです。自分の会社から世の中を見てしまう。世間は自分たちの会社や商品のことをある程度分かっていると思い込みたいし、思い込むんです。

 例えば今週、新商品を出すからと担当者たちがわくわくしていても、池袋の駅前に行って100人に聞いたら1人も知らないなんてことがある。

 それを‶地動説”に置き換えないといけないと思います。その点、アドバイザリーボードのクリエーターたちは会社の外の方たちなので、ある意味、僕たちの天動説を地動説に置き換えてくれるのです。そういうメリットがすごくあります。