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東日本大震災が起業のきっかけ

ENECHANGEの城口会長(写真:竹井俊晴)

東日本大震災は城口さんにとっても大きな影響がありましたか。

城口氏:3.11は原発だけの話じゃなくて、エネルギー業界が大きく見直されたタイミングですよね。電力自由化も動き出し、それに合わせてスマートメーターの設置もちゃんとロードマップが敷かれて始まりました。日本でいう20兆円という大きい市場が、動き出したタイミングでもありました。

 一方で、データ自体は私の専門は統計分野なので、いわゆるビッグデータという言葉ができる前、2000年前半くらいからデータには強く興味がありました。そこにエネルギーという問題意識が重なって、結果、エネルギーデータという自分としての軸が見つかりました。

 エネルギーは、データが出てくると大きなイノベーションが起こる。電力はこれだけ誰もが使っているのに、目に見えない。それがスマートメーターを通じてデータになって出てくれば、何かできそうだと直感的に感じました。

CEDLでは具体的にどんなものを開発したのですか。

城口氏:有田(一平・現ENECHANGE社長)、白木(敦夫同CTO)らと、計6人くらいでいろんなプロダクトを作りました。エネルギー関連のニーズを予測して、5、6個。マシンラーニングを使った太陽光発電の予測アルゴリズムとか、最適な蓄電池の制御アルゴリズムの構築とか。エネルギーデータに関連することであれば一通りやってみた中で、電力の切り替え事業と、スマートメーターの解析事業(SMAP)がうまく行くんじゃないかと感じて、2015年にENECHAGEを創業しました。

 自由化によって新たな顧客を獲得する新電力にも、スマートメーターのデータが蓄積していきます。これを解析すれば、時間帯別料金もきめ細かに設定できる。ニーズがこれからどんどん出てくると考えています。

ENECHANGEの事業を通じて、どういう社会を作りたいですか。

城口氏:3.11から始まった会社で、エネルギーの未来を作る、エネルギーを変えてやるんだという思いを込めて作った会社です。なので自由化もそうですし、デジタル化も、今後EV(電気自動車)が出てくることによって予定されている分散化という社会、もしくは再生可能エネルギーが競争力を持ってくる脱炭素社会の中でエネルギー業界はまだまだ進化していくと思います。僕たちはプラットフォーマーと、エネルギーのデジタル革命のプラットフォーマーという位置づけに徹しているので、エネルギーデータの解析というコア技術を軸に公平中立な立場でエネルギーのイノベーションを加速していくようなイノベーターでありたいと思っています。