グリーンスパン米連邦準備理事会(FRB)議長にも、行き過ぎを是正するような発言があります。

 財界の中もいろいろです。多くの経営者は合理化や生産性向上にITを積極活用していますが、インターネットベンチャーの人たちの考え方を完全に受け入れた事業展開というのはやっていない。インターネット関連株の高騰は単なるバブルではないにしても、分からなさは依然として残っているようです。

 一方で、バブルを破裂させて大変なことになった日本などをよく見て学んでいます。したがって、インターネット関連の部分がどうなっても大丈夫なようにしておこうという姿勢があるんだと思います。

 米国企業は日本にも急激に進出してきています。GEキャピタルなどが日本企業をどんどん買っている。

 この3月にワシントンに行った時、デイリー商務長官とお会いしました。長官は「日本の景気の見通しについて大きな関心を持っています」と前置きしたうえで、「ジャック・ウェルチ(ゼネラル・エレクトリック=GE=会長)の率いるGEキャピタルがあれだけの積極投資をするのなら、私はもう日本は大丈夫だろうと考えている」と言うのですね。

 ウェルチ会長は米国で「経営の神様」みたいになってますものね。

 ウェルチという人は、ムードに流される経営者じゃない。彼が日本に対し金融サービス部門であれだけの大型投資をやるというのは、短期の問題ではなくて、ある程度先に向かっての見通しがついたということでしょう。デイリー長官にとっては、それはいろいろな統計数字よりもはるかに景気回復を裏付ける有力な証拠だと言うんですね。米国にも、そういう見方が出てきているということです。

外資への偏った見方なくすチャンス

 外資の進出はやはり日本にとってプラスですか。

  日本経済の底上げという意味が大きいですね。特にいま進出してきているのは、日本経済の中で市場化とかグローバル化するのが一番遅れた部門、裏返せば米国側の比較優位が大いに発揮できる部分です。外資参入で、今までかなり遅れていた分野で日本の技術水準が上がる。しかも、単なる雇用機会ではなく、日本人のスキル(技能)が上がると思うんです。

 また、一般に外資系企業というのは、雇用について極めてドライだとか、ある程度の収益性がないとさっさと撤退するとかといったイメージが作られてきたわけだけれども、それが本当かどうかということを今後は教えられると思います。

 すでに進出しているIBMやプロクター・アンド・ギャンブルなんかは、すばらしいけれど特別だ、と言われてきましたよね。これはちょうど欧米人に日本企業というとソニーと言われて、いやソニーは別なんですと言うようなものです。これからはもっと様々なタイプの外資が入ってくるんじゃないですか。それは日本にとって非常によいことだと思います。

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