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 日経ビジネスは50年の歴史の中では、1人の経営者が何度か編集長インタビューに登場する、ということも度々ありました。そこで、1人の経営者の2回の編集長インタビューを掲載し、どんな変化を遂げているか、読み比べていただこうと思います。

 経営者は、現在、ネット通販の世界で圧倒的な力を持つ、アマゾン・ドット・コムCEOジェフ・ベゾス氏です。今回は、2001年、まだ赤字だった時代のベゾス氏のインタビューをお届けします。

 来週4月26日は2012年のベゾス氏のインタビューを掲載する予定です。

掲載号:2001年7月16日(記事の内容は掲載当時のものです)

ジェフ・ベゾス(Jeffrey P. Bezos)
1964年1月ニューメキシコ州アルバカーキ生まれ、37歳。86年、米プリンストン大学でコンピューターサイエンスと電気工学の学位を取得。同年、ハイテクベンチャーのファイテルに入社。88年、米大手銀行のバンカース・トラスト入行。コンピューターシステム開発部門で資産管理システムを開発。90年、26歳で最年少のバイスプレジデント(副社長)に就任。同年、米ヘッジファンドのD・E・ショー入社。92年、シニアバイスプレジデント(上級副社長)に就任。94年、退社。同年、アマゾン・ドット・コムを設立。現在、同社の最高経営責任者(CEO)。(写真=AP/アフロ)

インターネット革命の申し子がバブルとその崩壊を語った。
ビジネスモデル限界説については懐疑主義は良いことと一蹴。
株価の下落については長期的な視点で見てほしいと強調する。
伝説になった起業ストーリーの、真実も明らかにした。

(聞き手は本誌編集長、野村 裕知)

ワールドシリーズが楽しみ

 書籍に加えて、音楽CD、ビデオやDVD(デジタル多用途ディスク)など新しい分野を日本で拡大すると発表しました。

 合計40万タイトルを揃えます。例えば、米シアトルマリナーズのイチローのビデオなども扱います。当社の本拠はシアトルにあるんですが、今やイチローは市民のヒーローです。マリナーズはリーグ首位を独走していますから、今からワールドシリーズが楽しみです。

 アマゾンと言えば期待先行で、収益はなかなか好転しないドットコム企業の代名詞となっていますが、今年10~12月期やっと収支が黒字化する見込みだそうですね。

 当社は事業を4つの区分(セグメント)に分けています。1番目が書籍と音楽CD、ビデオ。2番目がAV(音響・映像)機器と家電製品、工具、キッチン用品。3番目が広告や電子商取引などの情報提供サービス。そして4番目が海外事業です。これら4部門のうち、書籍、音楽CD、ビデオと情報サービスの2つは約1年前から収益を上げているんです。残りの2つが赤字で、会社全体としては黒字化していなかったのですが、10~12月には、営業損益で黒字に転換すると考えています。