レジェンドたちの言葉、今回はマイクロソフト創業者、ビル・ゲイツ氏の登場です。
 スティーブ・ジョブズ氏と並ぶ、IT業界のアイコンであるゲイツ氏は、ITによって、世界中の売り手と買い手が直接つながる「摩擦のない資本主義」の到来や、コンピューター同士がつながる未来を予測していました。まさに今日のネットの世界を言い当てているかのようです。
 ライバル企業を聞かれたゲイツ氏が、IBM、そしてソニーと答えている場面など、非常に興味深いインタビューとなっています。

掲載日2002年11月18日号:記事中の質問・回答、プロフィールの内容はすべて掲載当時のものです。

IT産業の頂点を極めた経営者、世界一の大富豪、米国司法省に勝った男――。ビル・ゲイツを形容する言葉は枚挙に暇がない。そのゲイツが独禁法訴訟の判決を前にした先月、本誌の単独インタビューに応じ、「新しいマイクロソフト像」について語った。(インタビュー内敬称あり)
ビル・ゲイツ(William H.Gates III)氏
マイクロソフト会長兼チーフ・ソフトウエア・アーキテクト。1955年10月ワシントン州シアトル生まれ、47歳。73年ハーバード大学入学。75年マイクロソフト創業、CEOに就任。同大を中退し経営に専念。2000年1月から現職。米誌「フォーブス」は、個人資産を430億ドル(5兆3750億円)と推定、今年も「世界一の資産家」に選んだ。(写真:ロイター/アフロ)

 CEO職を離れて2年近くが過ぎました。チーフ・ソフトウエア・アーキテクトとして、どのように時間を使っていますか。

 多くの時間を、まだ初期段階にある製品の開発会議に出ることに使っています。出席者が6人に満たない会議がほとんどで、そこで音声認識や手書き認識などの新しい技術の実用化について議論をしています。

 それと世界中を回って顧客と面会し、マイクロソフトへの要望を聞いています。私の時間の30%はそれに充てています。

 これまでパソコンやインターネットを身近なものにする「パソコン革命」と「ネット革命」に取り組んできました。次はどんな革命を考えていますか。

 まずは「XMLウェブサービス革命」と呼ぶものです。これこそが「ドット・ネット構想」の意味するところで、あらゆるコンピューターをつなぎ、情報交換できるようにします。私たちはその革命のために、ソフトや通信規格などの技術基盤を整備しています。

 「自然なコンピューター」作りにも力を注ぎます。タブレットPCがいい例ですが、手に抱えながら、色がきれいなパソコン画面に、まるでノートに書くように自然に情報を入力できる。その画面の情報を他の人にも送れます。これからは会議の音声を入力しながら、電話でつないで他の人と一緒に聞いたりするなど、より便利な使い方が増えるでしょう。

 そのために自ら次世代のウィンドウズのソフトを設計しています。

 今のOSはまだまだ人間のことを理解しきれていません。(パソコンに)住所録を入れていても、(OSには)誰が大切な人物で、その人はどこに属しているかなどは分かりません。OSにネットワークやXMLを組み合わせることで、もっと性能を高めることが必要です。ロングホーン(次期ウィンドウズの開発名)ではそうした野心的な取り組みをしています。

 マイクロソフトの役割がますます大きくなるということですか。

 私たちの仕事は、ただ1つ。ソフトを書くことです。

続きを読む 2/4 ソフト開発こそ私たちの使命。最高のものを作る

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