シリーズ
世界展望~プロの目

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経済改革に背水の陣の習近平氏、バイデン政権のラブコールは大歓迎
バイデン政権はトランプ政権に比べて、理性的な対中政策を取るとみられる。中国の習近平政権はこれを歓迎して応じるだろう。同氏は、改革開放以来の本格的な経済改革に背水の陣で臨む意向だ。その対象は、本丸である国有企業と土地保有制…
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イージス・アショア代替、渦中の2レーダーの成熟度に差はあるか?
イージス・アショアの代替案について議論が進んでいる。使用するレーダーについて、契約済みの「SPY-7」ではなく、米海軍が採用する「SPY-6」にすべきだとの議論が浮上している。「SPY-6が完成品であるのに対して、SPY…
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日米中関係を考える、日本は中国の方向転換を促せ
駐中国大使を務め、中国をよく知る筆者が2回にわたって日米中関係を考える。後編では、日本が取るべき進路を整理する。安全保障の世界は依然としてレアルポリティークの影響下にある。しっかりした対策を講じる必要がある。しかし、安全…
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日米中関係を考える、日本人を不安に陥れる3つの変化
駐中国大使を務め、中国をよく知る筆者が2回にわたって日米中関係を考える。前編では、3国を取り巻く環境の変化を整理する。ここには、3つの側面がある。第1は、現在の国際秩序が維持できなくなっているように見えること。第2は米国…
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コロナ禍が迫る「命の選別」、ナチスの経験持つドイツで違憲訴訟
ドイツでは連日、新型コロナウイルス感染者数が万単位で増えており、12月には集中治療室(ICU)のベッド数が足りなくなると懸念されている。こうした中、「医療資源が逼迫した際に行われるトリアージ(選別)において、年齢や障害の…
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バイデン政権の対中東政策、イラン、イスラエル、サウジはどうなる
バイデン次期政権の中東政策はどうなるのか、現時点で得られる情報を基に展望する。次期国務長官はイスラム圏での経験が豊富で、これに力を入れるとみられる。反米的な性格を持つイラン、アフガニスタンの反政府武装勢力タリバンは、いず…
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イスラエル首相のサウジ電撃訪問が意味するもの
イスラエルのネタニヤフ首相が、秘密裏にサウジアラビアを訪問し、ムハンマド皇太子と会談したという。くしくも、米国のポンペオ国務長官がサウジを訪れていたのと同じタイミングだ。果たしてサウジも、UAEなどに続いてイスラエルとの…
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安倍外交の継承はバイデン政権に非難される恐れも
バイデン政権は対ロシアでいかなる政策を取るのか。ロシア政治に詳しい、ジェームズ・ブラウン テンプル大学教授は、「ロシアは、バイデン政権による同盟重視、民主主義支持」を脅威と懸念しているという。トランプ大統領によるNATO…
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米政権移行の遅れがもたらす安全保障上の懸念と2001年の教訓
バイデン次期政権への移行プロセスが遅れている。トランプ大統領が政治任用で登用したGSA長官が、バイデン氏の勝利を認めないからだ。ジョン・ケリー元首席補佐官らは、これが安全保障上の脅威をもたらす可能性があると懸念する。それ…
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新型コロナ危機下でロシア経済が抱え続ける5つの課題
ロシア経済が他の国々に比べて底堅さを示している。新型コロナ危機の中でも、GDPの落ち込みを8.5%減にとどめる。米国は9.5%減、EUは2けたの減少だ。しかし、安心はできない。ロシア経済は5つの重い足かせをひきずっている…
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北朝鮮の軍事パレードで新設治安部隊が登場
北朝鮮は10月10日、朝鮮労働党創立75周年を記念する軍事パレードを実施した。ミサイルの登場に耳目が集まったが、ここではパレードに参加した部隊に注目する。その1つは、社会安全軍武装機動部隊だ。
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「中国市場で勝たなければ日本企業は生き残れない」
中国の7~9月期の実質GDP成長率は4.9%増となった。他の国々に先んじて、経済を元の成長軌道に戻している。2020年通期でも2%程度の成長を確保する見込みだ。この先には、2025年にも米国と並ぶ巨大市場となる姿が浮かぶ…
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中国の五中全会を読む、「建軍百年奮闘目標」が初登場
中国が1年に一度開き重要な決定をする中央委員会全体会議が閉会した。詳細はいまだ発表されていないが、3つのことが分かる。第1は、習近平体制が落ち着きを見せており、スターリンや毛沢東のような個人独裁体制に移行する可能性は皆無…
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「経済を脱炭素化できなければ、日本は経済大国から滑り落ちる」
EUが二酸化炭素(CO2)の削減努力を加速している。今年5月には「グリーン・リカバリー」を打ち出した。中心に据えたのは地球温暖化対策だ。環境・経済政策について、約20年にわたってEUに助言してきた米国の文明評論家ジェレミ…
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米次期政権の行方、懸念浮上する台湾有事と現実路線への回帰
米国で活躍する著名な中国問題専門家らの意見を紹介する。焦点の1つは台湾だ。トランプ大統領再選の場合はもちろん、次期大統領が誰になろうとも、このままの状況が続けば、台湾問題が今以上に大きな米中対立の争点になり得る。ジョー・…
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「愛の不時着」は夢物語、「境界線越えれば死」が現実
黄海で行方不明になっていた韓国の公務員が、北朝鮮の軍隊に射殺された。この問題をめぐって、北朝鮮から韓国への通知文に金正恩委員長の謝罪の意が入っていたが話題になっている。韓国大統領府はこれを異例のこととするが、実は、北朝鮮…
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クウェートの首長死去、東日本大震災義援金の4割は同国からだった
クウェートのサバハ首長が9月末に死去した。同氏と日本の関係は、ボタンの掛け違えが相次いできた。外相として若きサバハ氏が来日したとき、大平外相(当時)は居眠りをしたという。湾岸危機に際して日本は135億ドルの資金を拠出した…
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TikTok規制で情報封鎖するな! 中国はまだ変われる
中国は基本的に、国際社会は「平和と発展」を基礎にしていると認識している。これを変えさせてはならない。「デカップリングの負担がこの程度ならば、国際社会と一定の距離をとる方が快適だ」などと思わせてはならないのだ。よって、Ti…
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ドイツのコロナ対策反対デモにネオナチの影
ドイツの大都市では週末になると、メルケル政権が進める新型コロナ対策や経済活動の制限に反対する市民が抗議デモを繰り広げる。ドイツでは、コロナ感染防止策に反対する人々と、ネオナチをはじめとする極右勢力が危険な混合体を醸成しつ…
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米最高裁女性判事の死、2週間早いオクトーバーサプライズ
9月18日、ルース・ベイダー・ギンズバーグ米最高裁判所判事が亡くなった。多くの米国民に慕われた司法界リベラル派の英雄だ。これが2週間早い「オクトーバー・サプライズ」になりそうだ。なぜ大統領選の結果を左右するのか、なぜ民主…