シリーズ
世界展望~プロの目

-
アフガン撤退で最大の危機、バイデン政権に向けられる3つの批判
米軍のアフガニスタン撤退を引き金に、首都カブールはあっという間にタリバンの手に落ちた。バイデン米政権は就任後、最大の危機に直面する。そのバイデン政権に向けられる批判は大きく3つに分かれる。第1は「月曜朝のクオーターバック…
-
欧米諸国は、アフガン人協力者の生命と安全を守れるのか?!
アフガニスタンのイスラム主義組織タリバンが想定外の速さで首都カブールを制圧し、再び権力の座に就いた。この事態は、かつて米軍とともにこの国に派兵したドイツにも、強い衝撃を与えた。特に同国政府にとって、ドイツ連邦軍やメディア…
-
アント、滴滴出行、学習塾への政府介入の背後にある中国の危機感
アリババ集団傘下の金融会社、アント・グループ上場への圧力。米国でIPOした滴滴出行のアプリ配信停止。塾の非営利化。中国政府が企業への規制を相次いで強めている。金融、情報、教育--。これらの事例には、一見したところ共通項が…
-
女性迫害、ひげ強要したタリバン支配再び、過去と何が違うのか?
タリバンがアフガニスタン全土を掌握。米国が2001年にタリバン政権を打倒してから20年で、状況は"振り出し"に戻ったように見える。だが、果たしてそうだろうか。現在のタリバン政権は、20年前と異なり、国家と承認されることを…
-
三重苦にあえぐWTO、なぜ機能しないのか
ナイジェリア改革で成功収めたオコンジョ氏は、舞台をジュネーブに移し、世界貿易機関(WTO)改革に臨んでいる。「貿易屋」ではない同氏が携える武器は「改革10カ条」だ。WTOはいかなる問題を抱えているのか、それを同改革すべき…
-
実は呉越同舟だった?! サウジとUAEの不和が湾岸の新たな震源に
これまで「蜜月関係」とみられていたサウジアラビアとアラブ首長国連邦(UAE)の間で不和が目立つようになってきた。サウジが主導する石油輸出国の会議が、UAEの反対で決裂の危機にひんした。イエメン内戦への介入で両国は同盟軍を…
-
塾代が月17万円も、過熱する中国の教育市場に習政権が管理の手
アリババ集団、滴滴出行(ディディ) --。習近平政権が企業への管理を強めている。これがついに教育市場にも及んだ。教育産業は非常な過熱状態にあり、「塾の費用に月17万円」という話もある。教育は医療などと並ぶ4大民生問題の1…
-
WTO新事務局長の「改革10カ条」~すべての改革に通じる処方箋
世界貿易機関(WTO)のトップ、オコンジョ事務局長が、ナイジェリア改革で得た教訓「改革10カ条」を紹介する。(3)結果にこだわれ、(6)手近または早めの勝利を目指せ、(7)戦線を広げすぎるな、(8)勝ち組と負け組を分析せ…
-
ナイジェリアが対外債務180億ドルを帳消しにできた理由
世界貿易機関(WTO)のトップに、ナイジェリアのオコンジョ元財務相が就任した。同国の国家改造を主導した経験を持つ、自他ともに認める「改革請負人」だ。全3回にわたって、①ナイジェリア改革の全貌、②オコンジョ氏がそこから紡ぎ…
-
ドイツで史上最悪規模の水害、次期首相を決める分水嶺
7月にドイツを襲った水害は、過去59年間で最も多い死者を出す大惨事になった。この国では洪水対策の巧拙が、政治家の支持率を左右する。被災地を訪れてメディアに頻繁に登場したキリスト教民主・社会同盟(CDU・CSU)の首相候補…
-
巡航速度に戻った中国経済、2021年通期は8.0~8.5%成長
中国国家統計局が2021年4~6月期のGDPを前年同期比7.9%増と発表した。けん引役は外需で、予測を上回って拡大した。新型コロナ禍で生産が滞る国の代替生産需要が依然として残っている。内需に目を転じると、今期に力強さを示…
-
いよいよ五輪、ロシアのサイバー攻撃からは逃れられない
東京オリンピック・パラリンピック大会が今週、いよいよ開会する。新型コロナの感染に加え、サイバー攻撃のリスクにも注意する必要がある。無観客開催にしても避けられないリスクだ。2018年の韓国・平昌冬季大会は大会運営の妨害を企…
-
習近平の建党100年演説、その歴史認識の不備を突く
習近平総書記が7月1日、中国共産党創立100年を祝う演説をした。同総書記の「歴史認識」に注目する。例えば、中国共産党の革命により「旧中国の半植民地、半封建的社会の歴史」と列強が押しつけた「不平等条約と中国における帝国主義…
-
習近平発言「教師のような説教は受け入れない」を生んだ党内事情
習近平総書記が7月1日、中国共産党創立100年を祝う演説をした。その内容は従来路線を踏襲するもので、新たな政策はみられなかった。その中で目立ったのは「教師のような偉そうな説教は受け入れない」との強い発言だった。同総書記は…
-
入植地が地盤のベネット新首相の下でイスラエルはさらに右傾化へ
イスラエルで新首相に就任した元IT起業家ナフタリ・ベネット氏は、同国が占領しているヨルダン川西岸地区で暮らすユダヤ人入植者を支持基盤とする右派。イスラエルはネタニヤフ時代よりも右傾化する可能性が強く、パレスチナ問題の平和…
-
経済計画見直し会議から見える北朝鮮の対米方針と食糧問題
北抽選の労働党が6月半ば、党中央委員会総会を開催した。党大会と党大会の間における、同党の最高機関だ。果たして、ここで何が議論されたのか。バイデン政権に代わった米国にいかに対するか。この議題の重要度は実は低かった。重要度が…
-
行き当たりばったりのバイデン対中戦略
米国で活動する中立的もしくは対中融和的な考えを持つ中国専門家の間で、バイデン政権の対中政策を懸念する声が上がっている。新型コロナ禍を克服し経済を再建するという内政の課題が外交を制約し、中国への態度を厳しいものにしている。…
-
イラン大統領選挙に見る米国・イランのボタンの「掛け違え」
6月18日に実施されたイラン大統領選挙で、反米保守強硬派のライシ師が勝利した。これで米イラン関係はどうなるのか。中東情勢に詳しい宮家邦彦・キヤノングローバル戦略研究所研究主幹は、これまでの米イラン関係を、イラン大統領の性…
-
シリアのアサドが得票率95%で4選、イラクのフセインはかつて100%
シリアで行われた大統領選に注目する。現職のアサド大統領が得票率は95.1%で4選を果たした。中東の独裁国家で行われる選挙が公正に行われている保証はない。しかし、そうであっても、「得票率」は幾ばくかの実情を示している。イラ…
-
ガザ空爆でドイツがイスラエル支持、意外な決定の裏にあるもの
イスラエルとイスラム原理主義組織ハマスとの間で、ガザ紛争が再燃した。イスラエル軍による空爆に対して世界各国で批判の声が上がった。このとき、ドイツはイスラエルを擁護する立場を取った。その裏には、ナチスによるユダヤ人迫害への…