シリーズ
世界展望~プロの目

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「米国第一主義」変えないバイデン政権と「輿論戦」ができない中国
米中の外相が相次いで米中関係に関わる講演・演説をした。そこから浮かび上がるのは、バイデン政権が発足した直後であるにもかかわらず、同関係が一層深刻なものとなりつつあり、今や修復不能な状況に近付いているようにすらみえる状況だ…
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フクシマの教訓からぶれないドイツ、脱原子力政策を貫徹へ
福島で未曽有の原発事故が起きてから10年がたつ。日本が直面した危機を自らの危機ととらえ、ドイツはこのとき脱原発へとかじを切った。メルケル首相は「原発は必要」との立場をとっていたが、これを転換。経済性より健康と安全を選んだ…
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江戸無血開城を導いた「義」、米中はこれに倣え
米国にバイデン新政権が発足して約1カ月。その対中政策はトランプ政権時代から変わっていない。両国は今後、妥協をし、関係を改善することができるのか。中国事情に詳しい瀬口清之・キヤノングローバル戦略研究所研究主幹は、ルールの遵…
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石油時代の終わりを予言したサウジの名物石油相逝く
サウジアラビアで長く石油相を務めたアフマド・ザキ・ヤマニ氏がこの2月に亡くなった。第1次、第2次石油ショックを演出。石油利権をめぐる欧米諸国との交渉を円滑にまとめた。退任後は「石油時代の終わり」を予言。「石油時代の象徴」…
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国家代表であるPresidentを公称した金正恩
北朝鮮の金正恩委員長の政府肩書に変化がみられる。英語やスペイン語での表記から「国務委員会」の文字が消えたのだ。英語では「Chairman of the State Affairs Commission of the De…
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中国への姿勢を硬化させるドイツ、フリゲート艦派遣は中国への警鐘
ドイツが対中姿勢を硬化させている。同国が今年、フリゲート艦を初めてインド・太平洋地域へ派遣するのは、その表れだ。ドイツ政府の要人は、中国の香港政策に対する批判も強めている。だが経済界が相変わらず中国に大きく依存している点…
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ミャンマー、繰り返すクーデターと軍政、民主化の背景をえぐる
1962年、1988年、2021年--ミャンマーは1948年に独立して以来、幾度もクーデター、軍政を経験し、民政への挑戦を繰り返してきた。しかし、今回はこれまでとは様相が異なる。国民は高い生活水準と開かれた社会をすでに経…
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日本だけではない! 中国周辺国で同時進行する敵基地攻撃能力
イージスアショアの配備計画が停止となって以降、日本でも敵基地攻撃能力の議論がかまびすしくなっている。この議論の中で、あまり登場しない論点がある。オーストラリアやインドなど、中国の周辺に位置する国々が同様の能力をどのように…
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中国市民がアリババに示した怒り、米中に共通する格差問題
中国の2020年10~12月期のマクロ経済を分析する。消費が予測を下回る一方で、外需が予測を上回った。意外なのは対米輸出の拡大だ。加えて、アリババ集団トップ、ジャック・マー氏に対して市民が厳しい目を向けていることを取り上…
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コロナワクチン先駆国ドイツで市民への接種が遅れている理由
ドイツは世界で最初のコロナワクチンを開発した国の1つだが、肝心の市民への予防接種が他国に比べて遅れている。新型コロナウイルスの感染者数が毎日数千人、時には万の単位に上る規模で増え、日々約1000人の死者が出る中での供給の…
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トランプ大統領の性格と対中タカ派に翻弄された中国の4年
中国にとって、トランプ政権はいかなる存在だったのか。トランプ政権は、“常識”を覆す外交政策を次々と繰り出した。中国は当初、何でも自分で決めたがる「大統領の性格」に翻弄された。それに気づいたころ、今度は、対中タカ派が仕切る…
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金正恩が朝鮮労働党第8回大会で総書記になった理由
北朝鮮が労働党の党大会を終えた。注目されたのは、金正恩の「総書記」就任だ。この地位の起源は、ソ連のスターリンにさかのぼる。総書記とはいかなる職か。金正恩が総書記に就任した理由は何か。
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トリは議事堂襲撃、トランプ政権4年間の内政・外交を総括
トランプ政権は、筆者が「恐れていた」支持者による議事堂占拠で幕を下ろすことになりそうだ。この4年間を総括する。内政は、過激ではないが、ごく凡庸な「非エリート白人層」の不満と怒りを覚醒させることで支持率の維持に成功してきた…
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中国、2020年以降の社会・経済安定に欠かせない4大改革
中国経済の長期的な展望を考える。このままいけば、2020年代後半に経済成長が鈍化し、内政不安を引き起こしかねない。いま取り組むべき4つの処方箋を提示する。キーワードは中間層の育成だ。
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日本人も知っておくべきプーチン大統領の黒い素顔
ロシアを率いるプーチン大統領がいかなる人物か紹介する。英フィナンシャル・タイムズの元モスクワ特派員であるキャサリン・ベルトン氏が最近ものした著書が非常に詳しく紹介しているので、これを引く。ソ連(当時)が崩壊したとき、その…
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コロナワクチンはイスラム教の禁忌に触れるのか?
中国が、独自開発した新型コロナウイルスワクチンを中東諸国などに配布している。果たしてこれは、イスラム教の教えが許す「ハラール」なのか。製造過程が不透明であるがゆえに疑問が生じている。ムスリム国家はコロナワクチンに対する宗…
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中国とバイデン政権、「戦争の危機は次の10年が最大」との見方も
中国は、来年発足するバイデン政権をどのように見るであろうか。環球時報は「米中関係を改善させるとの信念を放棄してはならない。最も根本的な方策は、中国が強くなり、米国の圧力に屈することなく、中国と協力することが米国にとって最…
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「コロナ対策優等生」ドイツはなぜ第2波で挫折したのか
ドイツ政府は12月16日、大半の商店の営業禁止や学校閉鎖を含む厳しいロックダウンに踏み切った。この日、952人が死亡し、コロナ禍が始まって以来最悪の数字を記録した。第2波に備えて介護施設の職員に対する研修や、スタッフの増…
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バイデン次期米政権は「第3期オバマ政権」か?
バイデン次期政権の概要が見えてきた。閣僚級に名を連ねる面々を見ると、「第3期オバマ政権」と形容できる陣容だ。バイデン氏の意図はどこにあるのか。オバマ系の人材と、ヒラリー系の人材の悲喜こもごもも興味深い。
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対中貿易を99%減らしても北朝鮮が自力更生を目指すのはなぜか
北朝鮮と中国との貿易額が10月、かつてない異常な状態になった。前年同月比でとうとう1%を割り込んだのだ。これは北朝鮮側の方針を反映している。いくら製品が高額になっても、自国が保有する高い技術を使って製品を作れるようになれ…