シリーズ
世界展望~プロの目

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フィリピン、ムスリムミンダナオ自治区の希望と失望の間
フィリピン南部のムスリム・ミンダナオ自治区は1月、1週間のうち希望と失望を味わった。希望は、同地区の新時代を切り開く希望の象徴である自治区再編が一歩進んだこと。失望はキリスト教会が爆破されたことだ。これらの背景にあるもの…
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90年代の日米構造協議を彷彿させる米中交渉の行方
米中経済協議を見ていると、1990年ころに筆者が交渉を担った日米経済摩擦を思い出す。米国は「日本は修正主義国だ。生きざまを変えなくてはいけない」と言わんばかりに迫ってきた。もっとも、当面の米中協議はまとまる可能性が十分に…
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金正恩の新年辞の要約から「非核化」の表現が消えた理由
北朝鮮は2018年、約7年にわたる沈黙を破って、首脳会談を再開した。金正恩委員長は、外交のステージを新しいものに切り替えたとみられる。最大の目的は米国との対立解消だ。ただし、国内に反対勢力を抱え、実を伴う第2回首脳会談を…
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習近平の公約、「全面的小康社会」の期限まであと1年
中国共産党成立100周年までに「全面的小康社会」をつくり上げる。中国共産党が国民に約束した、この目標の達成期限ま1年を残すのみとなった。習近平国家主席と中国共産党にとり、これが本年の最大の政治課題となる。
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日ロ首脳会談は「進展なし」でよい
安倍首相とプーチン大統領が1月22日、25回目の首脳会談を終えた。北方領土問題については進展がなかった。「歯舞・色丹の2島引き渡し」で妥協するよりも進展なしの方が好ましい。そもそもロシアによる北方領土の不法占拠は主権侵害…
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勢力図が変わる?! 米軍はシリア撤退、アサド勝利か
中東は2019年も不安定な状態が続く。シリアでは米軍が撤退を決定。それに合わせるかのように、周辺国ではアサド存続を前提とした動きが加速する。これに対抗する立場にあるサウジは苦戦を強いられる。カショギ事件が女性人権問題に非…
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トランプ政権はベトナム戦争から続く米国内政劣化の「結果」
トランプ時代の米国政治を語るには、過去50年間にわたる米内政の変化を理解する必要がある。トランプ氏の存在は米国政治の本質ではなく、70年代のベトナム戦争とウォーターゲート事件以降に起きた米国内政劣化の「結果」もしくは「症…
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英EU離脱案が大差で否決 ワーストケースなら戦後最悪の不況も
1月15日夜、英下院はメイ首相が推すEU離脱案を圧倒的多数で否決した。賛成202人に対し、反対は432人。英国が3月29日、EUとの新たな通商条件について合意のないままBREXITに突入する可能性が一段と高まった。