シリーズ
世界展望~プロの目

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日米同盟を揺るがしかねない新型コロナ対応、米軍が船客を救出?!
英船籍のクルーズ船内で新型コロナウイルスの感染が拡大した。日本政府は横浜港への寄港を受け入れ、船内を検疫し、経過観察の措置を進めている。日米関係に詳しい香田洋二・元海上自衛隊自衛艦隊司令官(海将)は、一連の対応が日米関係…
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SARS禍でも変わらなかった中国の官僚機構の体質
新型コロナウイルスの感染拡大で中国が抱える問題が改めて明らかになった。官僚機構の現場は、上を見るばかりで積極的に動くことはなかった。最優先したのは全人代の開催だ。今こそ、習近平氏が掲げる「人類運命共同体」の理念を実行する…
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有力政治家に指南した米大統領選を展望するための7カ条
実は今から12年前の08年2月13日、ある有力政治家に請われて、大統領選挙の予測に関する、数ページの個人的メモを作成した。具体的な候補者名にはあまり言及せず、11月の本選投票日までの9カ月間に注目すベき「経験則」を7つ箇…
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緒戦2州を制したサンダース氏とトランプ氏の意外な共通点
米民主党の大統領候補選びが、緒戦の2州を終えた。目を引くのは、ブティジェッジ氏という新星の登場と、サンダース氏のしぶとい強さ。米国政治に詳しい中林美恵子・早稲田大学教授はサンダース氏のうちに、トランプ大統領と同じ強さを見…
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挑発と応酬に終始、見世物と化したトランプ一般教書演説
2月3日から始まった1週間は、一般教書演説と弾劾裁判の評決が続き、「トランプ週間」となった。米国政治に詳しい前嶋和弘・上智大学教授は、一連の政治イベントが示したのは分極化と政策不在と見る。こうした状況は「米国民だけでなく…
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新型ウイルスの「災い」を転じて日中友好の「福」となす
中国で、新型コロナウイルスの感染が拡大を続けている。そんな中、中国を支援しようという日本の取り組みを称賛する声が中国で高まっているという。「これを機に、日中で協力できることがたくさんある」。中国経済の動向に詳しい瀬口清之…
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イスラエルとパレスチナの亀裂を深めるトランプ和平提案
トランプ政権は、「世紀のディール」と自賛する和平案を発表した。複数の条件を満たせば「パレスチナ国家」をイスラエルから切り離すと初めて提案した。この点は、確かに画期的である。だが、その詳細を読むと、イスラエルにとって大幅に…
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親イスラエルの中東和平案、陰の主役はサウジ皇太子
トランプ大統領が1月28日、中東和平案を発表した。中東情勢に詳しい池内恵東大教授はこれを「イスラエルが求めるすべてを書き込んだもの」と評する。パレスチナ自治政府のアッバス議長はさっそくこれを拒否。パレスチナが決して受け入…
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中東の隠れた要石、オマーンに学べ!
オマーンの国王がカブースからハイサムに変わった。日本にはいかなる影響があるのか。オマーンは石油埋蔵量が少なく目立たない存在ではあるが、中東において要石の役割を果たしてきた。アラブの国であるにもかかわらずイランとの関係も良…
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北朝鮮とイラン、その軍事協力の歴史をひも解く
北朝鮮とイランの軍事協力は、イラン・イラク戦争を機に始まった。その詳細は明らかでないが、小銃からミサイルまで軍服を除くすべてが北朝鮮製だったとの証言がある。反米闘争を戦う同志のよしみからだ。その延長にミサイルの輸出があっ…
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中東で、中国が米国に取って代わることはできない
一帯一路構想を掲げる中国は、活動の舞台として中東も視野に入れる。しかし、米国とイランの対立を対米戦略の中で利用するなどと考えるべきではない。ロシアがシリアを利用するようなわけにはいかない。中東に関与することは、世界一複雑…
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比ミンダナオ自治区にみる国家建設という開発課題
ミンダナオ島ムスリム・ミンダナオ自治区で、ムスリムの政治家一族が、ライバルである別のムスリム政治家一族を惨殺した事件に判決が下った。この地域では、イスラム教とキリスト教との宗教対立が注目されるが、問題の本質は「物理的な力…
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史上最多得票で圧勝した蔡英文の台湾はどこへ向かうか?
台湾の蔡英文総統は、これまでの総統選挙で最多の票を得て再選された。2018年の地方選惨敗から奇跡の復活を遂げた理由は大きく3つある。第1は、中国・習近平政権のオウンゴール、第2は、野党・国民党候補の分裂。第3は蔡総統の政…
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自衛隊の中東派遣をめぐる議論が示した安保法制の瑕疵
米国とイランの対立が軍事力を伴うものに度を高めたのを受けて、「自衛隊の中東への派遣を見直すべき」との意見が浮上した。防衛省設置法が定める「調査・研究」を法的根拠としていることに対し、「乱用」との批判が上がる。しかし、海上…
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中国、2020年の経済成長は5%台後半、波乱要因は自動車
中国経済の専門家、瀬口清之氏に2020年の展望を聞いた。成長率は5%台後半にとどまる見通し。波乱の要因となる可能性があるのは自動車産業の動向だ。需要の回復が見込まれるものの、地方の中小メーカーで倒産が拡大する懸念がある。
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戦争か? 制裁解除か? イランと北朝鮮が米国に同時に迫る日
イラン革命防衛隊司令官の殺害に始まった米・イランの応酬は、トランプ米大統領の演説でひと段落した。しかし、このまま終わるわけでは決してない。国際政治アナリストの菅原 出氏は、イランと北朝鮮が同時に、戦争をてこに制裁解除を求…
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核・ICBM実験の再開と米朝会談の終了
北朝鮮の支配政党である朝鮮労働党が2019年末、中央委員会全員会議を開催し、「核実験とICBMのモラトリアムをやめる」と決定したことを明らかにした。これは、米朝両首脳の意思表示によって18年3月に始まった「非核化」のため…
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イラン革命防衛隊司令官の死が示す「ゲームのルールチェンジ」
イラン革命防衛隊コッズ部隊のカセム・ソレイマニ司令官らを殺害した事件を取り上げたい。本事件第一報に接して感じた衝撃と懸念を筆者は忘れない。一つ間違えば、大戦争にもなりかねないからだ。外務省中東屋としてソレイマニ殺害の重大…
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2020年の欧州、EUを攻めるジョンソン氏、EU守るドイツは世代交代
2020年の欧州を展望する。最大のイベントは、英国のEU離脱だ。ジョンソン首相は、「合意なき離脱をちらつかせればEUは譲歩する」と見切った。味をしめた同首相は自由貿易協定でも同様の手を使うとみられる。ドイツではメルケル首…
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イラクに捕らわれた日本人人質を解放した中曽根元首相と安倍外交
中曽根康弘元首相が11月29日に亡くなった。同氏は1990年、湾岸危機の際に、イラクで捕らわれた日本人の人質を解放するのに尽力した。「同氏はイラクにおもねることなく、イラクの行動は明らかに間違っていると明確に指摘した。と…