ただし、対イラン政策に関しては、トランプ大統領とバイデン氏の間で早くから明確な差が出ており、メディアや有権者の関心も例外的に高かった。トランプ政権は、オバマ政権の業績の全否定として、オバマ政権時代に結ばれたJCPOAから離脱してしまった。バイデン氏はこのJCPOAへの復帰を明言している(関連記事「イスラエル首相のサウジ電撃訪問が意味するもの」)。

 だが、道のりはそう容易ではない。実現するためには、2015年の合意時点にまで時間を戻す必要がある。米国は、トランプ政権がJCPOA離脱後にイランに科した制裁を解除する必要がある。イランも、米国離脱後に着手したウラン濃縮などの政策を停止しなければならない。

 冒頭で触れたように、新政権の国務長官にアントニー・ブリンケン氏が、国家安全保障担当補佐官候補としてジェーク・サリバン氏が指名された。2人とも、米国がJCPOAに復帰することを優先課題と考えているようだ。したがってJCPOA復帰は、新政権の中東政策の目玉になるだろう。

 ただし、だからといって米国が親イランにかじを切るわけではない。

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