現在の気温上昇が様々な動植物の死滅につながる、と主張する学者もいる。彼らは、現在のままの状態が続くと、6500万年前に起きた動植物の死滅に次ぐ、地球の歴史で6回目の死滅になると主張している。温暖化は地球上の水の循環に大きな影響を与えるので、水害、ハリケーン、台風などの気象災害の頻度を増やす。その兆候は米国だけではなく、日本でも見られる。だが温暖化がもたらす長期的な損害についての学者たちの見解は、新聞の大見出しにはならない。気候変動の問題は、メディアが報じているよりもはるかに深刻だ。

 気候変動に関する政府間パネル(IPCC)は、「2030年までに温暖化ガスの排出量を2010年レベルの45%に削減しない限り、生態系が破滅的影響を受ける可能性がある」と警告している。我々はあと約10年以内に、平均気温の上昇幅を産業革命前に比べて1.5度未満に抑えなくてはならないのだ。残された時間は少ない。

 気候変動は、パンデミックとも関連がある。一部の科学者たちは、パンデミックは今回で終わりではなく、将来も別の病原体がパンデミックを起こすかもしれないと主張している。森林火災や洪水などによって動物が従来の生息圏から追われたり、それまで食べていた食物を得られなくなったりするので、人間の生活圏に近づいてくる。このため新たな病原体が、再び人間を襲う可能性が高まるのだ。

「化石燃料産業文明は2028年前後に崩壊」

熊谷:世界の金融業界やエネルギー業界は、脱炭素化を急激に進めているように見えます。

リフキン:化石燃料は、19世紀の第1次産業革命と、20世紀の第2次産業革命を支えてきた。化石燃料は、単なるエネルギー源ではなかった。繊維製品、肥料、包装材料、建設資材など様々な製品も化石燃料から作られている。つまり化石燃料は20世紀まで人類の文明そのものだった。

 だが21世紀に入って、流れが変わりつつある。

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