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朝鮮労働党中央委員会総会の様子(提供:KNS/KCNA/AFP/アフロ)

 2020年8月19日に朝鮮労働党中央委員会第7期第6回総会が開催され、2021年1月に朝鮮労働党第8回大会を開催することが決定された。前回の党第7回大会が2016年だったので、5年ぶりの開催となる。

 党大会は、朝鮮労働党の最高機関である。経済計画も含めた朝鮮労働党の最も重要な政策の承認や、党規約の改正、党代表(現在では委員長)や党中央委員会など党中央指導機関の選挙などが実施される。

 しかし、党大会は常設機関ではない。現在公開されている最も新しい党規約(2010年9月28日)には、党大会を何年ごとに開催しなければならないという規定はない(昔はあった)。党規約では党大会の開催は党中央委員会が6カ月前に公示することになっている。今回の公示は党規約が定める6カ月前を少し過ぎているが、これぐらいは仕方ないだろう。ただ、党規約では開催日付を公示することになっている。今回、日付は公示されず、開催月のみであった。

あるべき姿が守られてこなかった党大会

 党大会は、経済計画を総括する役割があった。2016年の党第7回大会で提示された「国家経済発展5カ年戦略」は正確には経済計画ではないが、2020年を最終年とする事実上の経済計画と言える。だから、2021年に「国家経済発展5カ年戦略」を総括して、新しい経済計画を提示するために党大会を開催することは、党大会の本来のあるべき姿と言えるかもしれない。

 もっとも、このあるべき姿が、あまり守られていなかったのが党大会であった。経済計画の完遂と合わせて党大会を開催するのは、3年延長された第1次7カ年計画が完遂した1970年に開催された党第5回大会が最後であって、1980年の党第6回大会も2016年の党第7回大会も経済計画が完遂したこととは直接に関係していない。しかも、党大会自体も、1980年から2016年の間は開催されなかった。

 北朝鮮で実施された最後の経済計画は、1987年から93年までの第3次7カ年計画である。これは未完遂で終わったことが発表された。その後は「苦難の行軍」(1995~2000年)と呼ばれる飢餓がまん延する経済危機の時代に入り、その後も全国・全分野の経済計画は実施されてこなかった。党第7回大会は、第3次7カ年計画で目指していた目標を達成したか、過去最高の経済発展を達成したことで開催可能になったとも考えられるが、その点は明確にはされていない。

 党第7回大会で提示された「国家経済発展5カ年戦略」は、第3次7カ年計画以来の新しい経済計画ではないかともいわれたが、「計画」ではなく「戦略」という言葉が使われているように、経済計画とは大きく異なる部分があった。従来の最高人民会議(国会)での経済計画の承認手続きが踏まれなかったばかりでなく、各分野の数値目標すら公開されなかった。だが、各分野に数値目標が設定されていたことは間違いないようである。

達成困難な目標を掲げた「国家経済発展5カ年計画」

 「国家経済発展5カ年計画」の概略が日本で分かるようになったのは、米村耕一「北朝鮮: 経済『脱中国』 16~20年戦略に明記 対露強化」(毎日新聞、2019年4月21日、朝刊)と、趙允英(チョ・ユニョン)・米村耕一「エコノミストリポート 北朝鮮 制裁解除を求めたワケ 独自入手! 北朝鮮の『発展戦略』 苦しい経済データが赤裸々に」(週刊エコノミスト、2019年4月30日・5月17日合併号)によるものである。