最初の集団感染が1月という早い時期に表面化した「僥倖」
ドイツ各州の州政府が早い時期に大規模な検査体制を敷くことができたのは、この国の科学者たちがある事件をきっかけに、「大波が来る」と行政当局に対し早い時点で警告を発したからだ。その事件とは、ミュンヘン郊外のある自動車部品メーカー(X社とする)で起きた、欧州で最初の新型コロナウイルス集団感染である。感染者数が14人という小規模なクラスターだったが、1月最後の週という早い時点で表面化し、ウイルス学者と保健当局の注意を喚起したという意味で、ドイツにとっては「不幸中の幸い」となった。
同社の男性社員が1月27日に、新型コロナウイルスに感染していることが確認された。この男性は、ミュンヘン郊外のドイツ本社で行われた研修に参加したのち体調が悪化した。研修の講師を務めたのは、上海から来た中国人社員だった。中国人社員は研修を行った後ドイツから中国へ戻る機内で体調が悪化し、上海で陽性が確認された。
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3/14、4/5ウェビナー開催 「中国、技術覇権の行方」(全2回シリーズ)

米中対立が深刻化する一方で、中国は先端技術の獲得にあくなき執念を燃やしています。日経ビジネスLIVEでは中国のEVと半導体の動向を深掘りするため、2人の専門家を講師に招いたウェビナーシリーズ「中国、技術覇権の行方」(全2回)を開催します。
3月14日(火)19時からの第1回のテーマは、「特許分析であぶり出す中国EV勢の脅威」です。知財ランドスケープCEOの山内明氏が登壇し、「特許分析であぶり出す中国EV勢の脅威」をテーマに講演いただきます。
4月5日(水)19時からの第2回のテーマは、「深刻化する米中半導体対立、日本企業へのインパクト」です。講師は英調査会社英オムディア(インフォーマインテリジェンス)でシニアコンサルティングディレクターを務める南川明氏です。
各ウェビナーでは視聴者の皆様からの質問をお受けし、モデレーターも交えて議論を深めていきます。ぜひ、ご参加ください。
■開催日:3月14日(火)19:00~20:00(予定)
■テーマ:「特許分析であぶり出す中国EV勢の脅威」
■講師:知財ランドスケープCEO 山内明氏
■モデレーター:日経ビジネス記者 薬文江
■第2回開催日:4月5日(水)19:00~20:00(予定)
■テーマ:「深刻化する米中半導体対立、日本企業へのインパクト」
■講師:英オムディア(インフォーマインテリジェンス)、シニアコンサルティングディレクター 南川明氏
■モデレーター:日経ビジネス上海支局長 佐伯真也
■会場:Zoomを使ったオンラインセミナー(原則ライブ配信)
■主催:日経ビジネス
■受講料:日経ビジネス電子版の有料会員のみ無料となります(いずれも事前登録制、先着順)。視聴希望でまだ有料会員でない方は、会員登録をした上で、参加をお申し込みください(月額2500円、初月無料)
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